今週は米国とイランとの停戦協議の行方に注目ですが、果たしてホルムズ海峡は全面開放されるでしょうか。

ブルームバーグは4月1日、イランがホルムズ海峡の通航料として原油1バレルあたり1ドル程度を課し、支払いは人民元または暗号資産で行われていると報じました。足元では原油が急騰しており、原油の決済通貨であるドル需要増の思惑からドル買いが優勢となっていますが、米国への信認低下によるドル離れが加速するシナリオも存在します。

1974年にサウジアラビアと米国の間で結ばれた「石油の米ドル建て決済と米債券への利益還流(ペトロダラー)」の約50年におよぶ密約・協定は、2024年6月に満期を迎え、更新されず実質的に終了したと報じられました。密約なので本当のところはわかりませんが、少なくともサウジアラビアは人民元・ユーロ・円・ルピーなどドル以外での決済を受け入れる姿勢を示しています。

背景には多極化する世界情勢に合わせ中国などBRICS諸国との連携を強化したいという思惑があるとされていますが、今回、イラン戦争で生じた混乱は、世界のドル一極体制への見直しをさらに加速させるかもしれません。

2015年の世界の中央銀行の保有資産は米国債が約33%、ゴールドが9%程度でしたが、2025年に米国債が約23%にまで低下、ゴールドが24%程度にまで増えてゴールドと米国債のシェアが逆転しています。すでに、世界の中央銀行は米国債中心の運用からゴールドへと歴史的な転換を進めているのです。

足元の原油急騰にもかかわらず、ドル円相場の上昇は意外と抑制的との指摘もみられますが、この有事を受け、米国景気に陰りが見えるようなら、ドル離れの潮流が加速するかもしれません。ゴールドはこの先も資産防衛の受け皿として注目されるでしょう。