お酒の話ばかりしているととんでもない飲ンベェのようですが、実際酒飲みではあります。今まででもっとも想い出に残る「飲み」というと、やはり以前にも書いた祖父絡みです。祖父が亡くなった時に、北陸の家でお午から法事がありました。祖父の家は浄土真宗の為料理は全て精進料理。殺生だからと飲めど飲めど動物性蛋白質は出て来ません。肉と思えば豆腐。折角の海の幸も一切ナシです。そんな中で親戚一同を相手に飲み続けました。お午の法事に来た人達。午後に遅れて来た人達。夕方、夜、とそれぞれの事情でぱらぱらと遅れて人が来ます。私はずっと仏間の畳の上で礼服を着たまま陣取り、そんなみんなを相手に飲み続けました。深夜になってようやくイカの黒作りか何かをこっそり出してくれました。従兄弟の旦那さんが帰ったのが恐らく午前1時か2時でしょう。最後は覚えていません。ふと気付くと午前5時。仏間で祖父を頭のすぐ上にして、一人で礼服を着たまま仰向けに畳の上に寝ていました。祖父が昔飲んだという二升には達しなかったでしょうが、それに近い量は飲みました。祖父も成仏したことでしょう。