私はジャズが好きですが、とても好きなピアニストの一人にセロニアス・モンクがいます。彼は目が見えなかったそうですが、作曲もして自分で弾きました。とてもメロディアスないい曲ばかりです。通常ジャズの名曲はいろいろな人がそれぞれの解釈で弾き、それぞれの味があっていいものですが、不思議なことに彼の曲だけは彼が弾かないとどうもピンと来ません。楽譜に落ちない微妙なニュアンスがあるせいかも知れませんが、そんなものは彼の演奏から読み取ればいい訳ですから理由にならないでしょう。明らかに彼だけの「世界」がそこにあります。本当の天才というのはこういうものなのでしょうか。