私はジャズが好きですが、とても好きなピアニストの一人にセロニアス・モンクがいます。彼は目が見えなかったそうですが、作曲もして自分で弾きました。とてもメロディアスないい曲ばかりです。通常ジャズの名曲はいろいろな人がそれぞれの解釈で弾き、それぞれの味があっていいものですが、不思議なことに彼の曲だけは彼が弾かないとどうもピンと来ません。楽譜に落ちない微妙なニュアンスがあるせいかも知れませんが、そんなものは彼の演奏から読み取ればいい訳ですから理由にならないでしょう。明らかに彼だけの「世界」がそこにあります。本当の天才というのはこういうものなのでしょうか。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。