私のデスクには、先月お客様から頂いた太宰府天満宮「天神さまの梅」があります。これは、境内の梅の木から採れた梅の実を、職員の方々が手作りした梅干しです。とてもご利益がありそうですよね。一つひとつ大切にいただいてきましたが、残りもわずかになってきました。

でも、昔の自分を思うと、よくまだ残っているなと思います。というのも、大学生の頃、梅干しにハマっていた時期がありまして。ある日、カリカリ梅を一袋一気に食べたら、翌日お腹に激痛が走り、病院へ。診断は虫垂炎。先生に「カリカリ梅を食べすぎて詰まったんですかね」と聞いたら、「そうかもしれんね」と軽く返されました(笑)。

もちろん、カリカリ梅の食べ過ぎと虫垂炎に直接の因果関係も科学的根拠もありません。でも、ごくまれに異物が虫垂に入り込んで炎症を引き起こすケースもあるそうで、あの時の先生の言葉もあながち完全な冗談でもなかったのではないか、と勝手な解釈をしています。

こうして人は、出来事の前後関係を、つい「因果関係」として捉えてしまいがちです。カリカリ梅を食べ過ぎた → 翌日虫垂炎になった → きっと原因だ! というふうに(もちろん、カリカリ梅の話は半ばネタですが)。しかしこれは日々の生活や仕事上でもよくある話です。

私の前職の会社は、リーマンショック直後に解散を決めました。当時、外からは「見通し不安定の中の英断」「先見性」「業績悪化」など様々な見方がありましたし、私自身も若くて状況の全体像を捉えきれていなかったのですが、今思えば、組織として共有していたビジョンが揺らぎはじめていたことが、大きな転機だったと考えています。時に、「〇〇のせいで△△になった!」と思いたくなることがあります。でも、物事の本質は案外もっと複雑で、目に見えにくいものなのだと思います。日々のニュースや流れてくるSNSの情報に関しても、より本質をつかめるよう、心の目を鍛えておかなければなりませんね。

などと考えつつ、最近の私はストレスも少なく、むしろやる気に満ちています。心もスッキリしていて、身体の調子もいい。これって、もしかしたら…天神さまの梅のおかげかもしれません。時には、都合よく因果関係を信じてみるのも、悪くないですね。