先日お目にかかった方に「初めてお会いしますよね」と挨拶したところ、「いえ、実は年始の賀詞交換会か何かのパーティーで、清明さんを見かけていました。カレーをガツガツ食べてましたよ!」と言われてしまいました(笑)。あまりに真剣に食べていたので、声をかけづらかったのでしょうか。なんとも恥ずかしい話ですが、間違いなく、それは私です。カレーが好きなのです。ホテルの立食パーティーでは、必ずカレーを食べますし、普段も最低でも月に一度は、オフィス近くのインドカレー屋でランチをしています。ナンよりもサフランライス派。海外出張中でも、現地のインド料理店を調べるのが定番のルーティンです。学生時代は「朝カレー」も日常的で、ちょっとしたエネルギーチャージになっていました。

学生の頃は嗜好が周期的に変わるタイプで、ブロッコリーに夢中になり、毎日1房をマヨネーズで食べていた時期もあります。さすがに飽きて一度距離を置きましたが、今ではまたおいしく食べられるようになりました。焼き芋にハマっていた時は、朝昼晩と1日に3回も食べて、わずか1日で飽きるという極端な体験も(笑)。何事も、過ぎれば毒。これは食に限らず、資産運用でも同じで、「バランス」が大切ですね。

先日、社員と飲みに行った際、「ランチはナッツで十分」と話す若手の言葉に、ふと考えさせられました。食の好みや価値観は、ライフスタイルや時代背景、そして環境によって移り変わるものです。そんな中で、日本の食の根幹をなす「米」に対する安心感の揺らぎは、決して軽視できない社会問題ですね。いわゆる「令和の米騒動」は、単なる需給の変化や農業の衰退という枠を超え、持続可能な農業と食料安全保障の観点からも、政府・農家・消費者が一体となって長期的な視野で取り組むべき課題です。私自身も、日々の「食」を通して社会課題に意識を向けることが、未来への責任につながるのだと感じています。

次世代農業を支えるアグリテックにも大きな可能性があると思います。自動化、データ解析、ドローンなどの技術によって生産効率の向上が期待されますが、それには技術導入だけでなく、資金援助や人材育成といった包括的な支援も欠かせません。国には、既存の枠組みにとらわれず、新たな挑戦を柔軟に後押しする政策が求められています。

こうしてあらためて考えてみると、日々の「食」には単なる楽しみを超えた意味があると実感します。さて、明日はスタートアップイベントに参加するため、札幌に出張します。残念ながらスープカレーを食べる時間はなさそうですが、北海道ならではの味覚に少しでも触れられたらと思います。食べること、考えること、つながること。そんな旅になりそうです。