あの「2025年問題」の年になった
あっという間に2月になりました。寒い毎日が続きますが、もうすぐ春です。 あいかわらず時の過ぎゆくのが早く感じられます。
あらためて気づくことは、私たちはいまこの瞬間、2025年を生きているのですね。あの「2025年問題」の年です。
あらためて指摘するまでもなく2025年問題とは、戦後の1947~49年生まれの団塊の世代の方々が残らず75才以上の後期高齢者になるとされた年です。医療や介護の現場が崩壊すると騒がれ、日本が抱える最大の問題として広く指摘されてきた年です。
実際にその時が来てみると、社会問題として大きく取り上げられてきた割に世の中は意外なほど平静を保っています。「日本の大問題」と名指しされるような混乱は今のところ起きていません。
介護や医療の最前線にいる人々の不断の努力に支えられている
もちろん私自身、日本中の介護の現場をすべて見てきたわけではないので断言することはできませんが、それでも世間は落ち着いています。きっと介護や医療の最前線にいらっしゃる方々、介護士やヘルパー、職員の皆さまの不断の努力によってしっかりと支えられているのでしょう。
行政サイドもしっかりサポート体制を整えています。東京都はこの1月から、都内の16万人を超える介護職員の方々に、1人あたり月1~2万円の住宅手当を支給することを決めました。介護職の人材を確保することが目的です。障害福祉サービスに携わる方々にも同様の手当てを支給するそうです。目立たないところで2025年問題への対処が着実に進められています。
「平均寿命」ではなく「健康寿命」をいかに伸ばすか
認知症と介護の問題を一気に解決する特効薬は残念ながら今のところありません。地道な努力で社会を支えてゆくしかありません。先進国共通の悩みとなっています。
それでも現在の日本社会が、当初警戒されたほどには混乱していないのは、団塊の世代の方々の多くが元気はつらつと毎日を過ごしているからではないでしょうか。体調のよくない方もいらっしゃるでしょうが、シニアの方々の多くは元気に毎日を過ごしていらっしゃいます。
これもひとえに健康寿命を延ばす、という考えが浸透しているからではないでしょうか。平均寿命ではなく、健康で過ごすことのできる年齢、それが健康寿命です。これをいかに長く伸ばしていくか。そのような視点による日々の過ごし方が今ほど真剣に問われたことはありません。
生き生きと元気で長生きするために、健康寿命関連4銘柄
元気で長生き、これこそがシニア世代に限らず私たち全員があらためて深く考えるべきこれからの生き方なのだと実感されます。心身の健康には運動がなによりです。「2025年問題」に立ち向かう最も有効な方策として、健康寿命を延ばすことに貢献する銘柄を取り上げてみます。
美津濃(ミズノ)(8022)
スポーツ用品の大手メーカー、ミズノ。野球用品が特に知られているが、そればかりでなくサッカー、ゴルフ、競泳、陸上、バレーボールなど国民的なスポーツの数々にも広く力を入れている。さらにウォーキングシューズやアウトドアウェアでも専門ショップを開設。コロナ後の健康ブームに乗って好調を持続。スタジアムやアリーナでのプロスポーツ観戦が多くの競技でブームの様相を呈している。中学・高校での部活動の活発化も恩恵をもたらし、最高益を更新中。
エービーシー・マート(2670)
靴の小売チェーン「ABCマート」を全国で展開。ナショナルブランドとPB商品を同時に扱う。PB商品では「HAWKINS」と「VANS」の2大ブランドを有していることが強み。世を挙げてのスニーカーブームで、ナショナルブランドのシューズは日本を訪れるインバウンドの顧客から高く評価される。2大PB商品も好調で、ランニング、ウォーキングの需要も根強い。デジタル化をうまく取り入れ業務の効率化につなげている。今期も最高益を大きく更新する見通し。
日清オイリオグループ(2602)
食用油の最大手。主軸の油脂事業では主に大豆、菜種を原料に食用油とミール(飼料)を製造。業務用には製菓・製パン向けのマーガリン、ショートニングも提供する。アマニ油・えごま油はリノレン酸、オリーブオイル・なたね油はオレイン酸、ごま油はごまリグナン、大豆油はリノール酸など、食用油でないと摂取できない栄養素も数多く存在する。食用油は身体に悪いと言われた時代もあったが、それらを健康に良い食用油製品として業界に先駆けて世に送り出してきた。今期も最高益更新が視野に入る。
くすりの窓口(5592)
日本最大級の薬局・ドラッグストアの検索サイト。全国の薬局やドラッグストアを検索し、いつでもどこでも好きな時間、好きな薬局で薬を受け取ることができる「処方箋ネット受付」を展開。薬局向けには薬の仕入れをサポートする基幹システムを運営している。また、「みんなの共同仕入れサービス」というサービスを展開。余剰在庫となった医薬品を有効活用し、仕入価格の低減化を図る。オンラインでの服用指導システムも2万店舗に導入されている。2023年10月に東証グロース市場に上場。今期も最高益を大幅に更新する見通し。