今週、トランプ氏はまたしても、驚きの行動に出ました。なんと、全ての政府補助金や融資プログラムを火曜日に一時凍結すると発表。のちに、米連邦地方裁判所がこの措置の差し止めを命じ、審議に持ち込まれるという大騒動に発展しました。
また、日本時間の今日早朝には、トランプ氏が全ての連邦職員に早期退職プランを提供するといった報道も出ています。あまりのサプライズ続きで、この辺りは日本では殆ど報じられなくなりました。
そして、トランプ氏とタグを組むイーロン・マスク氏も過激です。舞台は、来月、20年ぶりとなる議会解散に伴う総選挙が予定されているドイツです。極右ポピュリスト政権「ドイツのための選択肢(AfD)」の集会にオンラインで熱烈な応援演説を行いました。AfDは、主要党員がナチス擁護の発言をしたなどとして、欧州議会の右派会派からも除籍処分を受けている極右勢力ですが、現在国内2位の支持を集めています。
近年は先進国でも、大富豪が表舞台で政治を動かし始めてきた印象です。マスク氏やトランプ氏の他にも、フランスのエマニュエル・マクロン氏も投資銀行出身で数十億円の個人資産を用いて新党を設立し当選しました。
中でもマスク氏の影響力は絶大です。マスク氏は、米国の人気TV番組「ビッグバン・セオリー」にも登場する人気ぶりで、若手起業家にとっては成功のシンボルです。次世代の大富豪も、もしかしたら、政治を動かすパワーに憧れ、スーパーリッチ層の政治力が増幅されていく可能性もあるでしょう。
昨年は選挙イヤーの不確実性に注意と言われてきましたが、今年は昨年以上に政治に踊らされそうな予感がします。政治の予想は、企業業績予想以上に的中しないと言われています。大富豪たちの政治劇は大変刺激的ですが、投資に関しては、これらの動きに左右されることなく、徹底したリスク分散で臨むことが重要と思われます。