今100万円を持っていたとして、ある人はこの低金利で預金し、ある人は株式投資しました。3年経って景気が回復し、消費性向も向上し、車を買おうと思いましたが、景気の回復と共に物価も上昇し、100万円だった車が150万円になっていました。預金を取り崩しても100万円と数千円、一方株式はいくらになっているでしょうか?
過去50年とかの長いデータで見ると、世界各国の株式市場の上昇率は少なくとも物価指数の上昇率と等しいものです。買いたい車の値段が上がっている時には、手持ちの株式ポートフォリオの値段も上がっている蓋然性が高い訳です。こちらの方が、金融資産を預金で持つよりも生活のバランス・シートとしてはバランスが取れていますよね。少なくとももう少し株式的な金融資産を日本人は増やすべきでしょう。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。