日本の一人当たりGDPが、12年ぶりにアメリカの一人当たりGDPを下回ったということです。ちょうど私が社会人になった頃からずっと日本人の方が生産性が高かった訳ですが、ついにまた元に戻りました。
人口も減りながら、生産性も落ちてきている訳ですが、政府は相変わらず国民総生産自体のプラス成長をうたっています。そんなことが果たして可能でしょうか?もっとしっかりと現実を注視し、合理的なゴール・セッティングをすることが必要なのではないでしょうか?元々人口密度が高過ぎて、"兎小屋"などと言われてきた訳ですから、一人当たりGDPを世界一として、各個人の生活水準を高めることをゴールとするという選択肢があってもいいと思います。実は、私は個人的にはこのような選択肢には反対ですが、少なくともそのような選択肢も提示されて議論されるべきだと思います。"所与"のものが多過ぎると思いませんか?
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。