昨日はリスクは互いに打ち消しあうものもあるという話をしましたが、これを相関、もしくは逆相関があるといいます。多数のリスクを併せ持っている時に、逆相関がどれだけあると見積もるかによって、全体のリスクの額は大きく変わってきます。
昨年のロシア危機のときに、いくつかのヘッジ・ファンドが大きな損失をしたのは、この相関係数の見積もりが大きく変わってしまったことによる部分が大きいと思います。即ち、逆相関の関係・度合いは常に一定のものではなく、相場環境などによって変化するものなのです。1,000ドルを持ってカジノに行き、一回10ドルの掛け金でゲームをしていたつもりが、ある時突然知らないうちに掛け金が一回500ドルまで上がってしまっていたようなものです。そこで二回続けて負けたらゲーム・オーバーですね。
モダン・ポートフォリオ理論を構築した人たちが、その理論に足元をすくわれてしまいました。投資はやはり身のほどを知って慎重に行なうのが大切ですね。