◆昨日の日曜日は暖かくなったが、それまで東京の気温は低かった。特に先週の金曜日などは真冬を思わせるような寒さだった。「花冷え」という言葉もあるので、この時期の寒の戻りは珍しいことではないのだが、4月に入ってここまで陽気が上がらないのは、少し記憶にない。

◆気象庁は4日、東京で桜(ソメイヨシノ)が満開になったと発表した。昨年より13日も遅い。満開の発表が4月になるのは、2017年以来とのことだ。桜の花は2月1日以降の平均気温の合計が400℃を超えると開花する。ここもとの寒さで合計気温が開花基準に届かなかったのだ。桜の蕾を目にしていたから、今か今かと思っていたが意外に開花が遅れ、そのまま満開の時期も後ろ倒しになった。

◆なにごとも積み重ねである。桜の花が咲くのも気温の積み重ね。日経平均が史上最高値を抜いたのも、過去10年以上にわたる日本企業の業績の積み重ねの結果である。今週は本州の南に停滞する前線の影響で、太平洋南岸はぐずついた空模様となりそうだが、来週には天気は持ち直す予報だ。いずれ春本番の陽気になる。日本の株式相場も新年度の業績をまた積み重ねれば、さらなる高みに達するだろう。

◆思わぬ寒さで桜の花が遅れたが、そのおかげで新入生や新社会人にとっては新たな門出を祝う絶好のタイミングに重なった。日経平均も4万円台という新たなステージを歩み始めた。「彼等」の前途に幸あれと願う桜満開の春である。