日本株の上昇は至極当然

この原稿を書いている今は2月16日、午前7時。シカゴ日経平均先物3月限は前日比475円高の3万8575円で終えた。今日の東京市場でも日経平均は大幅続伸で始まるだろう。いよいよ日経平均の史上最高値更新が視野に入ってきた。改めてこの株高の背景を整理してみたい。

1)デフレからインフレへの転換

2)日本型企業経営の変革=グローバルスタンダードな資本市場へ

3)それを評価した海外投資家の買い

4)中国からの資金シフト

5)米国株の最高値更新

6)日本の金融緩和の継続観測=それを背景とした円安

7)好調な企業業績

これだけ並ぶ要因を眺めれば、日本株の上昇は至極当然と受け止められるだろう。

偏った相場と言われる懸念

懸念としてよく指摘されるのが、今の相場は半導体株など一部の日経平均への寄与度が高い銘柄だけが買い上げられている偏った相場であり、持続性がないだろうという点だ。確かに半導体関連株の上昇率は際立っているが、それらが「けん引役」を果たして相場を引っ張っていると前向きに解釈することもできる。実際、日経平均が下落して半導体株が一服となる局面では、業績が堅調な内需株が逆行高して、相場を下支えすることもあった。商社など、バリュー株も堅調だ。東証の業種別に年初来からのパフォーマンスを見ると、輸送用機器がトップだ。上昇率は22%強とTOPIXの倍以上。

このほど出揃った4-12月期決算発表では自動車セクターの好調ぶりが目立った。マツダ(7261)など3社の純利益が過去最高を更新し、自動車メーカー大手7社の純利益合計も最高だった。供給網の正常化による自動車生産の回復や円安、値上げが収益を押し上げた。なかでもトヨタ自動車(7203)の業績が群を抜いている。2024年3月期の純利益は84%増の4兆5000億円。従来予想から5500億円上方修正し2年ぶりに最高益を更新する見通しだ。トヨタは決算発表直後から株価が急伸し、時価総額は日本企業で初の50兆円を超えた。復活の印象が強いのはホンダ(7267)だ。営業利益は16年ぶりに過去最高を更新した。工場閉鎖など構造改革も進み、長らく低調だった自動車事業の回復が鮮明だ。

輸送用機器のトップ・パフォーマンスはこの好業績を素直に反映した結果である。つまり、足元の日本株相場はファンダメンタルズを背景としたまっとうな循環物色がなされており、一部の銘柄にだけ偏った相場だという指摘は当たらない。

利益が伸びるから株価も上がる

改めて上場企業の好業績についてまとめると、ちょうど4-12月期の決算発表が一巡したタイミングで日本経済新聞社が東証プライム市場に上場する約1020社についての集計結果を報じている。2月16日付の日本経済新聞(『上場企業が3期連続最高益 24年3月期最終、3兆円上振れ』)によると2024年3月期の純利益は43.5兆円と前期比13%増え、2023年5月の期初予想から3.5兆円上振れし、3期連続で過去最高を更新する見通し。売上高純利益率も改善、日本企業が着実に「稼ぐ力」を高めている。

これだけ日経平均が連日上昇してもPERが上がらない。EPSが切れ上がっているからだ。改めて確認すると、日経平均の大幅高はEPSの急伸に沿ったものであることがわかる(グラフ1)。利益が伸びるから株価も上がる。きわめてシンプルである。

【グラフ1】日経平均株価と予想EPSの推移
出所:筆者作成

このレポートの配信を急いでもらうように担当者にお願いしよう。レポートがアップされるころには日経平均は史上最高値を更新しているかもしれない。