もち合いを下放れ25日移動平均線に到達

もち合いが続いていた日経平均ですが、ついにもち合いを下放れてしまいました。前回のコラムでは「もち合いの期間が長くなればなるほど、その後に発生したトレンドが強くなることが考えられ、上下どちらかに動き出し方向に株価が大きく動き出すのでないかと考えられますので、動き出した方向と反対のポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に注意が必要です」と解説しました。

そして解説した通り、5日移動平均線を下回って終えると、下ヒゲを形成した12月4日の翌営業日には455円安と、10月26日の668円安以来の下落幅となりました。

これは、11月15日に823円高となってから約2週間もち合いが続いたため、その反動で下放れの後に大きな値幅が出たのではないかと考えられます。

またこの大幅安で、12月5日の終値現在、上向きの25日移動平均線を下回って終えており、下降トレンドの発生が警戒されるところです。

そこで今後の注目ポイントは、上向きの25日移動平均線上を回復して維持できるかどうかになると思われます。仮に25日移動平均線上を維持するようですと、低下してくる5日移動平均線を上回ることが考えられる他、低下中の5日移動平均線が横ばいから上向きに変化して反発時のサポートになることが期待されます。

一方で、25日移動平均線上を回復しても下向きの5日移動平均線に押し返されて25日移動平均線を下回ったり、25日移動平均線を下回ったままで推移したりするようですと、5日移動平均線が25日移動平均線を下回るデッドクロスが発生して、75日移動平均線辺りまで下落が続くことが考えられ、買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に注意が必要です。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※ 移動平均線は5日、75日、200日を表示

モメンタムとシグナルの低下は続くか

モメンタムについても前回のコラムでは、「11月に入り、高値に迫る中での「逆行現象」の発生は、11月17日の発生に次いで今回で2回目となっており、上昇の勢いが弱まっていることが示された格好です」と解説しました。

そして、ここでも解説した通り、「逆行現象」の発生が続いたために高値を更新できずにもち合いが続いた後、下放れる結果になりました。また、モメンタムの低下が続き、ついに0ラインを下回り、25日移動平均線をわずかに下回って終えているのが分かります。

そのため、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が低下を続けるかが今後の注目ポイントです。

仮に2本線の低下が続くようですと、下落の勢いがさらに強まることになり、25日移動平均線を下回ったままで推移しそうですが、2本線が上向きに変化するとともに、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを上回って維持するようですと、25日移動平均線上を回復することが視野に入ると思われます。

このように、モメンタムの逆行現象が先行指標として機能していることを確認し、売買判断に役立てることができれば、株価動向の予測に役立ちますので是非活用したいところです。