東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は大幅続落となりました。74円安の32,916円で寄り付いた日経平均は直後に70円安の32,920円を付けた後下げ幅を広げると9時30分過ぎに455円安の32,535円まで下落しましたが、節目の32,500円を前に下げ渋ると10時過ぎには241円安の32,749円まで持ち直しました。しかし、再び下げ幅を広げると後場に入り14時過ぎには478円安の32,512円まで下落しました。その後下げ渋るとやや持ち直しましたが、上値は重く引き続き軟調に推移すると結局384円安の32,606円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

鳥貴族ホールディングス(3193)が一時3.5%高となり年初来高値を更新しました。新型コロナウイルスの5類移行から客数の増加が順調に続いていることで8月の既存店売上高が前年同月比48.4%増となったことから買いが優勢となりました。美容用品の販売を手掛けるビューティガレージ(3180)も一時14.7%高となり上場来高値を更新しました。主力の物販事業の電子商取引(EC)が好調で第1四半期の営業利益が49.9%増となったことから買いを集めました。また、東証スタンダード市場では中古品販売の買取王国(3181)や、酒類販売のカクヤスグループ(7686)が買われました。買取王国は幅広い商材の売り上げが順調に伸びたことで8月の既存店売上高が前年同月比18.7%増となったことから一時6.8%高となったほか、カクヤスグループも新型コロナウイルス禍からの経済再開で外飲みの需要が増加したことで中核事業会社であるカクヤスの8月の売上高が前年同月比28.2%増となったことから一時13.2%高となり上場来高値を更新しています。一方で昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2%近く下落したことから半導体関連株が安く、東京エレクトロン(8035)が一時4.7%安、SCREENホールディングス(7735)が一時2.3%安、レーザーテック(6920)も一時2.0%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は384円安となりました。昨日の米国市場でのハイテク株安の流れを受けて売りが優勢となり大幅安となりました。節目の32,500円を前に下げ渋りました。しかし、下げ幅を大きく広げ一目均衡表の雲の上限(32,770円)を割り込んだことから警戒ムードも出てきそうで、週明け以降も下げが続いた場合には75日移動平均線(32,464円)や25日移動平均線(32,274円)を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)