【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,395.14 △47.71 (7/13)
NASDAQ: 14,138.57 △219.61 (7/13)
1.概況
米国市場は6月の米卸売物価指数(PPI)が市場予想を下回ったことで米連邦準備理事会(FRB)による利上げ長期化観測が一段と後退し4日続伸となりました。64ドル高でスタートしたダウ平均は直後に134ドル高まで上昇した後伸び悩むと昼前に17ドル高まで上げ幅を縮めましたが、その後も堅調に推移すると結局47ドル高の34,395ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も219ポイント高の14,138ポイントとなっています。
2.経済指標等
6月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.1%上昇と5月の0.4%下落から上昇に転じたものの市場予想を下回りました。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万2000件減の23万7000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。さらに6月の米財政収支は2280億ドルの赤字となっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、コミュニケーション・サービスが2%を超える上昇となったほか、情報技術と一般消費財・サービスも1%以上上げています。一方でエネルギーとヘルスケアの2業種が下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではマイクロソフト[MSFT]とシスコシステムズ[CSCO]、セールスフォース[CRM]、スリーエム[MMM]が1%以上上げました。一方でウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]が2%近く下げ、トラベラーズ[TRV]とシェブロン[CVX]、メルク[MRK]も1%以上下落しています。
ダウ平均構成銘柄以外では、傘下のグーグルが2月に公表した対話人工知能(AI)サービスが40言語以上に対応できるようになったと発表したアルファベット[GOOGL]が4%を超える上昇となりました。また、アマゾン・ドット・コム[AMZN]もセールの「プライムデー」で初日の売上高が会社史上最大となったと明らかにしたことで2%以上上げています。さらに半導体関連が高くエヌビディア[NVDA]が4%を上回る上昇となり、クアルコム[QCOM]も3%以上上げています。ウエスタンデジタル[WDC]も2%を超える上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は6月の米卸売物価指数(PPI)が市場予想を下回ったことで0.10%低い3.76%となりました。ドル円は138円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)