【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,852.66 ▼74.08 (6/28)
NASDAQ: 13,591.75 △36.08 (6/28)
1.概況
米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)がECBフォーラムのパネル討議で米国のインフレ率の2%回帰が2025年以降になるとの見通しを示したことなどから金融引き締めの長期化を警戒した売りが出て続落となりましたが、ナスダック総合株価指数は主力ハイテク株の一角が買われたことで続伸となりました。45ドル安でスタートしたダウ平均は昼前に170ドル安まで下落した後切り返すと昼過ぎに22ドル安まで持ち直しました。
しかし、戻し切れないと再び下げ幅を広げ取引終盤には160ドル安余りまで下落しました。その後ダウ平均は引けにかけて持ち直しましたが、上値は重く結局74ドル安の33,852ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も1ポイント安の4,376ポイントとなりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は36ポイント高の13,591ポイントとなっています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や素材、生活必需品などの7業種が下げ、公益事業は1%を超える下落となりました。一方でエネルギーやコミュニケーション・サービスなどの4業種が上げ、エネルギーは1%高となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではトラベラーズ[TRV]とホーム・デポ[HD]が2%を超える下落となったほか、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]とインテル[INTC]も1%以上下げました。コカ・コーラ[KO]も1%近く下落しています。一方でセールスフォース[CRM]とウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス[WBA]が1%を上回る上昇となり、アムジェン[AMGN]とシェブロン[CVX]も1%近く上げています。
ダウ平均構成銘柄以外ではテスラ[TSLA]が2%を超える上昇となりました。スウェーデンのボルボ・カーがテスラの北米充電網に加わると明らかにしたことを好感した買いが入りました。ネットフリックス[NFLX]も目標株価の引き上げを受けて3%余り上げています。エヌビディア[NVDA]はバイデン政権が人工知能(AI)に使われる半導体の中国向け輸出で新たな規制を検討していると伝わったことで2%近く下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.05%低い3.71%となりました。ドル円は144円台前半で推移しています。一時は144円台後半まで円安が進む場面もありました。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は円安を受けて堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)