日経平均にまつわる、よもやま話
先日、私が昔所属していた証券会社で同じ支店にいた、7歳年上の先輩と約15年ぶりに夜食事をする機会がありました。昔と変わらず、今回も相場の話を交えた酒盛りの席となりました。バブル当時の株式市場で相場と戦い、投資家の動向を見ていた方の話は非常に興味深い。
日経平均の終値ベースの史上最高値は38,915円ですが、当時、大部分の投資家は十分な利益が出ていたわけではなかったようです。それを証明できるデータは残っていませんが、体感的には概ね31,000円ぐらいまでが高値の感覚で、それ以上の水準から史上最高値までは何でも買えば儲かるという雰囲気ではなかったそうです。
「最近はバブル時の高値回復を言及する市場参加者が多くなってきたが、実質的にはあまり意味がない」「2000年に日経平均採用の30銘柄の大量の銘柄入れ替え(アドバンテスト(6857)、東京エレクトロン(8035)、京セラ(6971)などが新規採用された)があり、世間が騒いだこともあったが、もう少し早い時期に実施されていれば、今頃は史上最高値を超えている、いや5万円を超えている?」などなど独特の語り口が印象的でした。
日本株は、「もち合い放れにつけ」状態
「もち合い放れにつけ」という格言があります。日経平均の2万円台に目が慣れ過ぎていて、3万円台では手が出しづらいのも確か。ただ、米国株も水準を切り上げる時期があったのです。
S&P500は2013年前半に1,500ポイント付近にあった2000年8月高値や2007年10月高値の上値の壁を突破して上放れ、その後は未知の水準が疑心暗鬼の中で壮大な上昇トレンドが続きました。
日本株も同じ発想ができそうです。例えば、TOPIXは1996年、2000年、2007年、2018年の高値を繋いだ上値の壁を2021年に突破しました。そこから直ぐには上昇できませんでしたが、逆に大幅に下げることもありませんでした。それが今のスピード感を伴った上げ相場に繋がっていると解釈できます。すでに、疑心暗鬼の上げ相場のフェーズに入っているのかもしれません。
ただ、短期的には過熱度合いは赤信号に変わる直前のように思います。持たざるリスクと煽るコメントも散見されますが、実はあまり好きな言葉ではありません。満月(6月4日)あたりで一旦売却し、新月(6月18日)あたりで買い戻す(押し目買い)ぐらいの、少し余裕を持った心構えが必要でしょう。