東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続伸となりました。108円高の30,909円で寄り付いた日経平均は直後に63円高の30,864円を付けた後上げ幅を広げると300円高の31,101円まで上昇し本日の高値で前場を終えました。その後、日経平均は後場に入ると伸び悩みました。しかし、30,900円を割り込むことなく堅調に推移すると結局115円高の30,916円で取引を終えています。一方で新興株は安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

三井ハイテック(6966)が一時6.8%高となり年初来高値を更新しました。北米での電動自動車向けの需要拡大を見込み供給体制の強化を図るためメキシコにモーターコアの製造・販売を目的とした子会社を設立すると発表したことを材料視した買いが入りました。ユーグレナ(2931)も4.2%高となりました。経済産業省が2030年から日本の空港で国際線に給油する燃料の1割を再生航空燃料(SAF)にすることを石油元売りに義務付けると伝わったことから藻を使ったSAFを開発するユーグレナに物色の矛先が向かいました。また、米エヌビディア(NVDA)が市場予想を上回る売上高の見通しを発表し、昨日の米国市場で半導体関連株が幅広く買われ主要な半導体銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が7%近く上昇したことから日本市場でも半導体関連銘柄が昨日に続いて大幅高となりました。アドバンテスト(6857)が一時5.6%高となり上場来高値を更新したほか、東京エレクトロン(8035)が一時6.0%高、SCREENホールディングス(7735)が一時9.0%高、ディスコ(6146)とSUMCO(3436)も一時4.6%高となり、揃って年初来高値を更新しています。さらに投資判断や目標株価の引き上げを受けて年初来高値を更新したのが三菱重工業(7011)や川崎重工業(7012)で、目標株価の引き上げを受けて三菱重工業が一時3.6%高となり、投資判断と目標株価の引き上げを受けて川崎重工業も一時7.3%高となりました。

一方でロシアが減産を否定したことで原油先物価格が下落したことから石油関連株が安く、INPEX(1605)が一時3.2%安となり、コスモエネルギーホールディングス(5021)も4.8%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は115円高となりました。一時140円台まで円安が進んだことや、昨日の米国市場でナスダック総合株価指数が大幅高となったことから買いが優勢となりました。一時は300円高となり22日に付けたバブル崩壊後の高値(31,086円)を上回る場面もありました。しかし、300円高となった時点では25日移動平均線との乖離率が5%を超えていたこともあり後場に入ると伸び悩みました。そのため来週も短期的な過熱感が意識されやすいなかでバブル崩壊後の高値を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の21時30分には米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視する4月の米個人消費支出(PCE)物価指数や4月の米耐久財受注額が発表されるほか、23時には5月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)