今週の日本株市場は利益確定売りに押されて上昇一服か。先週末の東京市場で日経平均は1年半ぶりの高値まで買われ、その後の夜間・海外市場で日経平均先物は2万9500円を上回る水準まで値を上げた。週明けの東京市場も買い先行で始まりそうだが、徐々に売りに押されてくるだろう。
先週のストラテジーレポートで述べた通り、新年度の予想を反映した日本株のPERが上昇し、割安感が後退していることが上値の抑制要因になるだろう。決算発表が一巡し材料難となること、米国では債務上限問題の行方が不透明なこと、金融不安が再燃していることなどからリスクが山積しており、日経平均3万円の大台を前にして、ここはいったん利益確定売りが定石だろう。
国内の決算発表はほぼ一巡したが、15日に電通(4324)、ブリヂストン(5108)、リクルート(6098)、日本郵政(6178)、SMC(6273)、京セラ(6971)に加え、三菱UFJ(8306)をはじめとする金融機関各社の決算発表がある。週末19日にも東京海上(8766)など損保の決算発表があり、そこで3月期決算発表も出尽くしとなる。米国ではホーム・デポ(16日)、ターゲット(17日)、ウォルマート(18日)など小売りの決算発表が予定されている。
主要な経済指標は米国ではニューヨーク連銀景気指数(15日)、4月小売売上高(16日)、フィラデルフィア連銀製造業景気指数(18日)がある。中国では16日に鉱工業生産、小売売上高、固定資産投資などの統計が発表される。国内では17日の1-3月期GDP速報値、19日の全国消費者物価指数(CPI)に注目が集まる。
今週末からG7広島サミットが開催される。関連銘柄は特にないが、セキュリティの重要性から警備会社などが物色される可能性はみておきたい。
予想レンジは2万9000円~2万9900円とする。