【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 32,859.03 △141.43 (3/30)
NASDAQ: 12,013.47 △87.24 (3/30)
1.概況
米国市場は米金融当局が必要に応じて金融機関への支援を拡充する姿勢を示していることなどから金融システム不安が収束しつつあるとの見方が広がり続伸となりました。89ドル高でスタートしたダウ平均は直後に188ドル高まで上昇した後伸び悩むと昼過ぎにマイナスに転じましたが、34ドル安で下げ渋るとまもなくして持ち直し引けにかけて上げ幅を広げました。結局ダウ平均は141ドル高の32,859ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も87ポイント高の12,013ポイントとなっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比7000件増の19万8000件となり市場予想以上に悪化しました。また、2022年10-12月期の米実質国内総生産(GDP)確定値も年率換算で前期比2.6%増と改定値の2.7%増から下方修正され市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融を除く10業種が上げました。そのなかでも不動産と情報技術が1%以上上昇し、一般消費財・サービスも1%近く上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では、新製品の発売計画を公表したことを好感した買いが続きインテル(INTC)が2%近く上げ上昇率トップとなったほか、ボーイング(BA)とウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、ウォルト・ディズニー(DIS)、マイクロソフト(MSFT)も1%以上上昇しました。投資判断と目標株価の引き上げを受けてウォルマート(WMT)も1%近く上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、主力ハイテク株が堅調でネットフリックス(NFLX)が2%近く上げ、アマゾン・ドット・コム(AMZN)とフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)も1%以上上昇しています。また、半導体株も高くアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)とクアルコム(QCOM)、ウエスタンデジタル(WDC)が2%近く上げ、エヌビディア(NVDA)も1%以上上昇しています。一方で高級家具販売のRH(RH)が決算で売上高が市場予想を下回ったことなどから3%を超える下落となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い3.55%となりました。ドル円は132円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の28,000円を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)