東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて3日ぶりに反発しました。97円高の27,482円で寄り付いた日経平均ですが節目の27,500円を前に伸び悩むと9時20分過ぎにマイナスに転じました。しかし、25円安の27,359円で下げ渋ると持ち直し85円高の27,471円で前場を終えました。94円高の27,479円でスタートした後場の日経平均は12時50分前に158円高の27,543円まで上昇し高値を付けましたが、引けにかけてやや上げ幅を縮めると結局91円高の27,476円で取引を終えています。一方で新興株は軟調で東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

JR東海(9022)が一時3.3%高となりました。2月の利用状況で新幹線(東京口)の輸送量が新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける前の2019年2月の80%の水準まで回復し、3月も23日時点で88%でまで回復していると発表したことから買いが優勢となりました。極洋(1301)も一時3.1%高となりました。不漁の影響で販売を停止した家庭向けサバ缶詰商品の出荷を5月8日から順次再開すると発表したことを好感した買いが入りました。機械商社の西華産業(8061)も16.4%高となり昨年来高値を更新しました。国内外子会社の業績が好調に推移しているうえ、営業外収益に持ち分法による投資利益を計上することなどから通期の経常利益の見通しを37億円から61億円に上方修正し、減益予想が一転して増益予想となったことで買いを集めました。圧力計や圧力センサー大手の長野計器(7715)も3.3%高となりました。業績が好調に推移していることから2023年3月期の期末配当予想を従来の16円から20円に引き上げたことで大幅高となりました。また、目標株価の引き上げを受けてユーグレナ(2931)やトリケミカル研究所(4369)が高く、ユーグレナが一時3.4%高、トリケミカル研究所も3.9%高といなりました。

一方で二輪車用の電装品などを手掛ける新電元工業(6844)が6.2%安となりました。半導体不足の長期化に伴う自動車市場の減産影響や、中華圏における景気減速で需要が予想を下回ることから2023年3月期の営業利益の見通しを48億円から33億円に下方修正したことで売りが膨らみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は91円高となりました。セントルイス地区連銀のブラード総裁が金融ストレスの抑制に前向きな見方を示し、先週末の米国市場が続伸となったことで買いが優勢となりました。寄り付き後に伸び悩むと朝方に小幅にマイナスとなる場面もありました。しかし、200日移動平均線(27,363円)を支えに下げ渋ると上げ幅を三桁に広げ節目の27,500円を回復する場面もありました。そのため200日移動平均線近辺での底堅さが改めて意識されそうで、29日の権利付き最終日に向けて配当狙いの買いなどから引き続き堅調な地合いが期待できそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)