【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 31,861.98  ▼384.57 (3/17)
NASDAQ: 11,630.51  ▼86.76 (3/17)

1.概況

先週末の米国市場は金融システム不安への警戒感がくすぶるなか金融株への売りが続き大幅反落となりました。29ドル安でスタートしたダウ平均は昼前に500ドル安近くまで下落した後一旦下げ渋り昼過ぎに270ドル安程度まで持ち直しました。しかし、再び下げ幅を広げると取引終盤に517ドル安まで下落しました。その後引けにかけてやや戻したダウ平均ですが上値は重く結局384ドル安の31,861ドルで取引を終え反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も86ポイント安の11,630ポイントと5日ぶりに反落となりました。

2.経済指標等

2月の米鉱工業生産指数は前月比横ばいとなり市場予想を下回りました。設備稼働率も78.0%と前月から横ばいとなり市場予想を下回りました。また、3月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値は63.4と前月から低下し市場予想を下回りました。 2月の米景気先行指標総合指数は前月比0.3%低下となり市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも金融が3%を超える下落となったほか、不動産も2%以上下げました。また、資本財・サービスと素材、エネルギー、ヘルスケア、一般消費財・サービスも1%を上回る下落となっています。

4.個別銘柄動向

前日に米大手銀11行が預金の形で資金支援すると発表したファースト・リパブリック・バンク(FRC)が急落し33%近く下げました。また、パックウェスト・バンコープ(PACW)やウエスタン・アライアンス・バンコープ(WAL)といった中堅銀行も安く、パックウェスト・バンコープが19%近く下落し、ウエスタン・アライアンス・バンコープも15%以上下げています。大手金融株も安くUSバンコープ(USB)が9%を超える下落となり、バンク・オブ・アメリカ(BAC)とウェルズ・ファーゴ(WFC)も4%近く下げています。シティーグループ(C)とゴールドマン・サックス(GS)、JPモルガン・チェース(JPM)、モルガン・スタンレー(MS)も3%を超える下落となりました。一方で物流大手のフェデックス(FDX)が通期の1株利益の予想を上方修正したことで8%近く上げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は金融株への売りが止まらないことから投資家が運用リスクを回避する姿勢が強まり相対的に安全資産とされる米国債が買われ0.15%低い3.43%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ131円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安と円高を受けて下落してのスタートが予想されます。日本時間 20日の早朝にスイスの金融大手のUBSが経営危機に陥っているクレディ・スイス・グループの買収で合意したことを受け日経平均が下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)