日経平均、天井が見えた高値からのスピード調整か

3月13日以前、チャートは目先の天井を示唆していました。今から思えば、日経平均が3月9日に示現した分岐足となりえる「十字足」がそうだったのです。

続く3月10日は窓を開けて下に陰線が続いたことで、「十字足」の両側に窓をあける格好となりました。これで天井パターンと判断するのは、ローソク足の基本的な見方です。「十字足」が山頂で手を上げる登山家のように映ります。

3月9日の段階ではまだ上がるというムードが優勢だった気がしますが、株価は正直です。ただ、この天井パターンが調整を長期化させる、ということを示すものではありません。

日経平均のこの直近高値からのスピード調整は外部環境が極端に悪化するケースでないと生じえない動きですが、週明けの3月13日は1月16日安値を起点に2月22日安値を通る右上がりの支持線のフシまで調整が進みました。早くも下げ止まるかの正念場です。

「たくり足」の動きに注目

ローソク足は長い下ヒゲのある「陰線たくり足」となりました。下値では売り方よりも買い方の方が優勢だったことを示唆する動きです。

この「たくり足」が底値を示すサインになるか、あるいは下落相場の中位に出る一時的な買い戻しによるものか? 相場の位置によって解釈は異なりますが、一応は上述したフシを意識したものであり、目先の底打ちを示唆しているのかもしれません。そんな状況下で、3月14日の動きが気になります。

ただ、これは期待を込めてのシナリオであり、支持線を下回るスタートの場合は下値模索につながりやすくなります。この場合、「陰線たくり足」は下落相場の中位で生じた単なる買い戻しだったという解釈ができ、2月後半につけた直近安値27,000円前後までの深押しも予想されます。

※ 3月13日大引け後に執筆