東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は大幅続落となりました。257円安の27,886円で寄り付いた日経平均は直後に237円安の27,906円を付けた後下げ幅を広げると10時10分過ぎに512円安の27,631円まで下落しましたが、前引けにかけてやや持ち直すと437円安の27,706円で前場を終えました。405円安の27,738円でスタートした後場の日経平均は13時40分過ぎに451円安の27,692円まで下落した後引けにかけて持ち直し大引け間際に291円安の27,852円まで戻すと結局311円安の27,832円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
米国で銀行の破綻が相次いでいることから金融システムへの悪影響を警戒した売りが出てメガバンクが大幅安となりました。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が3.5%安、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が4.2%安、みずほフィナンシャルグループ(8411)も4.9%安となりました。地銀株にも大幅安となるものが多くみられまし。千葉興業銀行(8337)が6.4%安、富山第一銀行(7184)が5.7%安、南都銀行(8367)が5.6%安となるなど下げが目立ったほか、地銀上位行のコンコルディア・フィナンシャルグループ(7186)が5.3%安、千葉銀行(8331)も4.7%安となっています。一時133円台半ばまで進んだ円高を受けて自動車株にも売りが出ました。日産(7201)が一時5.8%安、トヨタ(7203)が一時2.2%安、ホンダ(7267)が一時3.4%安、マツダ(7261)が一時6.4%安、SUBARU(7270)が一時4.1%安、三菱自動車工業(7211)も一時7.7%安となりました。
また、くら寿司(2695)も4.2%安となりました。原材料価格やエネルギー価格の大幅な上昇などコスト増を受けて第1四半期の営業損益が6億円を超す赤字となったことを嫌気した売りが出ました。一方で良品計画(7453)が4.9%高となりました。直営既存店とオンラインストアを合わせた2月の海外売上高が、東南アジア・オセアニア事業が前年同月比34.2%増、欧米事業が28.5%増、東アジア事業が12.8%増加となるなど大幅増益となったことで大幅高となりました。さらに暗号資産の交換業者に出資しているセレス(3696)もビットコインの大幅高を受けて5.0%高となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は311円安となりました。新興テクノロジー企業への融資事業で知られる米シリコンバレーバンクに続いて、ニューヨークを地盤とする米シグネチャー・バンク(SBNY)も経営破綻するなど米国で銀行の破綻が相次いでいることから金融システムへの悪影響を警戒した売りが出て大幅安となりました。また、一時133円台半ばまで進んだ円高も重石となり節目の28,000円を割り込み下げ幅を広げ一時は500円以上下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると25日移動平均線(27,717円)を上回って取引を終えています。そのため大幅安となったものの25日移動平均線近辺での底堅さが意識されそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)