東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて小幅に反発しました。91円高の27,515円で寄り付いた日経平均は10時前に161円高の27,585円まで上昇しましたが、その後伸び悩むと117円高の27,541円で前場を終えました。96円高の27,520円でスタートした後場の日経平均は直後に100円高の27,524円を付けた後上げ幅を縮めると14時20分過ぎにマイナスに転じ14時30分過ぎに23円安の27,400円まで下落しました。しかし、下げ渋ると引けにかけてやや持ち直し結局21円高の27,445円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
日本製紙(3863)が一時5.4%高となりました。新聞用紙の価格を4月1日納入分から値上げすると発表したことで収益の改善を期待した買いが入りました。セントラル硝子(4044)も9.5%高となりました。原材料価格の高騰の価格転嫁を進めたことなどから通期の営業利益の見通しを130億円から155億円に上方修正したことで大幅高となりました。また、政府が3月1日から中国からの渡航者への新型コロナウイルスの水際対策を大幅に緩和すると発表したことから百貨店株や化粧品株が高く、なかでもエイチ・ツー・オー リテイリング(8242)が3.0%高、コーセー(4922)も4.2%高となりました。さらに投資判断と目標株価の引き上げを受けて買われたのがオリエンタルランド(4661)や住友大阪セメント(5232)で、オリエンタルランドが一時3.9%高、住友大阪セメントが一時4.0%高となりました。
東証スタンダード市場では漫画古書などを販売するまんだらけ(2652)が8.6%高となり上場来高値を更新しました。年始にあわせて開いたイベントが好評で店頭販売が増加したことや、オークションも盛況で通信販売も伸びたことなどから1月の月次売上高が前年同月比21.3%増と高い伸びとなったことで買いを集めました。一方で投資判断や目標株価の引き下げを受けて売られたのが三菱ケミカルグループ(4188)やアルプスアルパイン(6770)で、投資判断の引き下げを受けて三菱ケミカルグループが一時2.6%安、投資判断と目標株価の引き下げを受けてアルプスアルパインも5.4%安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は21円高となりました。押し目買いが入り昨日の米国市場が小幅に上昇したことから反発となりました。しかし、一時節目の27,500円を上回り160円以上上昇しましたが、27,600円を前に伸び悩むと上げ幅を縮め後場には小幅にマイナスとなる場面もありました。そのため27,500円を超えたところでの上値の重さが意識されそうで、27,500円を中心としたレンジ相場から抜け出すことができるかがまずはポイントとなりそうです。
なお、日本時間の23時45分には2月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)が発表されるほか、3月1日午前0時には2月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)