【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,128.05 △38.78 (2/15)
NASDAQ: 12,070.59 △110.45 (2/15)
1.概況
米国市場は米小売売上高など強い経済指標を好感した買いで上昇となりました。80ドル安でスタートしたダウ平均は強い経済指標を受けて米連邦準備理事会(FRB)による利上げが続くとの見方から下げ幅を広げ朝方に256ドル安まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に持ち直すと強い経済指標を好感した買いが入り徐々に下げ幅を縮め引けにかけてプラスに転じました。結局ダウ平均は38ドル高の34,128ドルで取引を終え反発となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も110ポイント高の12,070ポイントとなり3日続伸となっています。
2.経済指標等
1月の米小売売上高は前月比3.0%増と2021年3月以来約2年ぶりの大幅な伸びとなり市場予想を上回りました。2月のニューヨーク連銀製造業景況指数もマイナス5.8と前月から上昇し市場予想を上回りました。2月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も42と前月から上昇し市場予想を上回っています。一方で1月の米鉱工業生産指数は前月比変わらずとなり市場予想を下回りました。設備稼働率も78.3%と前月から低下し市場予想を下回っています。12月の米企業在庫は前月比0.3%増となり市場予想と一致しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、一般消費財・サービスとコミュニケーション・サービスが1%以上上昇しました。一方でエネルギーとヘルスケアの2業種が下げ、エネルギーは1%を超える下落となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではキャタピラー(CAT)とシスコシステムズ(CSCO)、ウォルト・ディズニー(DIS)、アップル(AAPL)、ナイキ(NKE)が1%以上上げました。一方でジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)とシェブロン(CVX)が1%以上下げ、メルク(MRK)も1%近く下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では、決算で売上高などが市場予想を上回ったことで民泊仲介のエアビーアンドビー(ABNB)が13%を上回る上昇となっています。ネット広告配信支援のトレードデスク(TTD)も決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことや、自社株買いを発表したことから急伸し33%近く上げています。
5.為替・金利等
長期金利は米小売売上高など強い経済指標を受けて0.06%高い3.80%となりました。こうしたなかドル円は円安に振れ134円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高と円安を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)