2024年からNISA(少額投資非課税制度)が大幅に拡充されることになり、NISAを活用した資産形成が注目を集めています。そこで今回の記事では、マネックス証券が2月13日のNISAの日を控え、全国のマネックス証券口座開設者を対象に実施した「投資に関する意識調査」で明らかになった、個人投資家のNISA活用状況や投資への意欲の変化、一般NISAで購入している人気の銘柄ランキングなどを紹介します。

NISAの利用率は増加傾向

資産運用をしている方々のうち89%がNISAを利用しており、2022年の結果86%と比べて2%上昇していました。

【図表1】NISA口座を保有している方の割合(回答者数5,183)
出所:マネックス証券作成

NISAを利用している方々が購入している商品は、国内株式55%、投資信託が59%、海外株式が15%でした。

【図表2】NISAで購入している商品(複数回答可)(回答者数4,594)
出所:マネックス証券作成
(一般NISAにおける国内株式、投資信託、海外株式とつみたてNISAにおける投資信託を合算して表示)

課税口座と併用しながらNISAを利用している方の割合は82%と、多くの方々がNISAの非課税投資枠を超えて資産運用を行っていることがうかがえる結果でした。

【図表3】NISA口座と課税口座の併用状況(回答者数4,594)
出所:マネックス証券作成

NISA制度改正、若年層ほど認知度が高い

2024年から始まる「新しいNISA」の制度について、「変更内容も知っている」、「変更内容は知らないが制度変更は知っている」を合わせて97%が改正されることを認知していることがわかりました。

【図表4】NISA制度改正の認知度(回答者数4,594)
出所:マネックス証券作成

年代別では若年層ほど制度の改正内容までを把握していることがうかがえる結果となりました。

【図表5】NISA制度改正の認知度(年代別)(回答者数4,594)
出所:マネックス証券作成

NISA制度改正の内容に好意的

NISA制度改正の内容を把握していると回答した方に制度改正内容の満足度を聞いたところ、「満足している」と回答した方は79%にのぼりました。新NISA制度の内容はかなり好意的に受け止められていると考えられます。

【図表6】NISA制度改正内容の満足度(回答者数2,396)
出所:マネックス証券作成

NISA制度でさらに改善してほしい点を聞いたところ、非課税枠の拡大や限度額の撤廃を求める回答が見られました。

・非課税枠を拡大してほしい
・年単位での限度額を撤廃してほしい
・特定口座との損益通算を可能にしてほしい
・複数の証券口座で制度利用できるようにしてほしい
・新旧NISA制度のロールオーバーができるようにしてほしい

約3割が投資意欲向上

NISAの制度改正に伴う投資意欲の変化を聞いたところ、投資意欲が増した方の割合は29%でした。

【図表7】NISA制度改正に伴う投資意欲の変化(回答数5,183)
出所:マネックス証券作成

年代別で見ると、20才未満を除き、若年層ほど今回の制度改正で投資意欲が高まったと回答しています。制度改正は、若い世代に受け入れられていることがうかがえます。

【図表8】NISA制度改正に伴う投資意欲の変化(年代別)(回答数5,183)
出所:マネックス証券作成

一般NISA人気銘柄ランキング(日本株・米国株・投資信託)

日本株人気ランキングトップ10(一般NISA)

日本株でトップ10入りした銘柄は、2022年と順位が大きく入れ替わる結果となりました。新たにランクインしてきた企業も含め、配当利回りの高い企業が選ばれる傾向が見られます(配当利回り:商船三井18.18%、日本郵船 24%)。時価総額や配当の高い企業が人気です。

【図表9】マネックス証券一般NISAでの日本株取引ユーザー数上位ランキング(2022年)
出所:マネックス証券作成
※商船三井、日本郵船は期中に分割しているため、2022年1月4日の株価終値は調整後の数字
※騰落率(※1):2022年最初の取引日(1月4日)終値と2022年最後の取引日(12月30日)の終値で比較
※参考騰落率:日経平均 -11%、TOPIX -6.9%

米国株人気ランキングトップ10(一般NISA)

人気上位銘柄の顔ぶれにあまり変化はありませんでした。ほとんど全ての銘柄が、米国全体の相場の影響を大きく受けている状況です。しかし、上位銘柄にあまり変化がないということは、継続して保有している方が多いことがうかがえます。

【図表10】マネックス証券一般NISAでの米国株取引ユーザー数上位ランキング(2022年)
出所:マネックス証券作成
※騰落率:2022年最初の取引日終値(1月3日)と2022年最後の取引日(12月31日)の終値で比較
※参考騰落率:NYダウ平均 -9.4%、NASDAQ総合 -33.9%
※VTIのベンチマーク:CRSP USトータル・マーケット・インデックス
QQQのベンチマーク:ナスダック100指数
SOXLのベンチマーク:PHLX 半導体・セクター指数の日々のパフォーマンスの300%

投資信託人気ランキングトップ10(一般NISA)

海外銘柄でポートフォリオが組まれているファンドが多く購入されていました。単年の騰落率にかかわらず、過去に実績の出ているファンドが人気です。NYダウ平均やNASDAQ総合の騰落率と比べるとそこまでパフォーマンスが落ちていない投資信託が多いため、米国の相場変動の中でもしっかりとリスクヘッジできていた方が多かったと考えられます。

【図表11】マネックス証券一般NISAでの投資信託取引ユーザー数上位ランキング(2022円)
出所:マネックス証券作成
※2022年最初の取引日(1月4日)終値と2022年最後の取引日(12月30日)の終値で比較

■調査概要と回答者の属性
調査方式:インターネット調査
調査対象:マネックス証券口座保有者
回答数: 5,183(うち、NISA利用者4,594)
調査期間:2023年1月25日(水)~2月1日(水)

(※1)騰落率とは、2つの時点の価格を比較して、何%上昇したか(または何%下落したか)を表す指標のことです。