【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,108.64 △103.60 (12/13)
NASDAQ: 11,256.81 △113.08 (12/13)
1.概況
米国市場は11月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回ったことで米連邦準備理事会(FRB)による利上げ長期化への警戒感が和らいだことから続伸となりました。263ドル高でスタートしたダウ平均は直後に707ドル高まで上昇しましたが、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えていることもあって様子見ムードも強く伸び悩むと昼過ぎにマイナスに転じました。
しかし、114ドル安で下げ渋ると持ち直し結局103ドル高の34,108ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も113ポイント高の11,256ポイントとなっています。
2.経済指標等
11月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比7.1%上昇となりました。前月から伸びが鈍化し市場予想も下回りました。また、変動の激しいエネルギーと食品を除くコア指数も前年同月比6.0%上昇となり、こちらも前月から伸びが鈍化し市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品を除く10業種が上げました。そのなかでも不動産が2%高となったほか、エネルギーとコミュニケーション・サービス、素材、情報技術も1%以上上昇しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では原油価格の上昇を受けてシェブロン(CVX)が2%以上上げたほか、セールスフォース(CRM)も2%近く上昇しました。また、メルク(MRK)とマイクロソフト(MSFT)、ゴールドマン・サックス(GS)、ホーム・デポ(HD)、キャタピラー(CAT)も1%以上上昇しています。一方でアムジェン(AMGN)とユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が1%を越える下落となっています。
ダウ平均構成銘柄以外では、主力ハイテク株が堅調でフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)が4%を越える上昇となり、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)とアマゾン・ドット・コム(AMZN)も2%以上上げています。
さらにバイオ製薬のモデルナ(MRN)がメルクと共同開発するがんワクチンの治験が良好な結果を示したと発表したことで20%近く上げています。画像検索・共有サービスのピンタレスト(PINS)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて12%近く上昇しています。
5.為替・金利等
長期金利は米CPIが市場予想を下回ったことで0.11%低い3.50%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ135円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。明日の未明に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えて様子見となりやすいなかで日経平均が節目の28,000円を回復できるかがポイントとなりそうです。
また、本日は寄り付き前の8時50分に日銀短観が発表される予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)