【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,476.46 ▼305.02 (12/9)
NASDAQ: 11,004.62 ▼77.39 (12/9)
1.概況
先週末の米国市場は米PPIが市場予想を上回ったことで米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化が警戒され反落となりました。34ドル安でスタートしたダウ平均は下げ渋るとまもなくしてプラスに転じ昼前に63ドル高まで上昇しましたが、伸び悩むと再びマイナスとなり引けにかけて下げ幅を広げました。結局ダウ平均は305ドル安の33,476ドルで取引を終え3日ぶりに反落となりました。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も77ポイント安の11,004ポイントと反落となっています。
2.経済指標等
11月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.3%上昇し市場予想を上回りました。12月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値も59.1と前月から上昇し市場予想を上回りました。一方で10月の米卸売在庫は前月比0.5%増に止まり市場予想を下回りました。米卸売売上高は前月比0.4%増となっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちコミュニケーション・サービスを除く10業種が下げました。そのなかでもエネルギーが2%を超える下落となったほか、ヘルスケアも1%以上下げています。また、素材も1%近く下落しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が下げました。そのなかでも原油価格の下落を受けてシェブロン(CVX)が3%以上下げたほか、アムジェン(AMGN)とウォルマート(WMT)も2%を超える下落となりました。また、メルク(MRK)とナイキ(NKE)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、キャタピラー(CAT)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、ホーム・デポ(HD)、トラベラーズ(TRV)、シスコシステムズ(CSCO)、コカ・コーラ(KO)も1%以上下げました。
一方でウォルト・ディズニー(DIS)とベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)、セールスフォース(CRM)、ゴールドマン・サックス(GS)、ボーイング(BA)の5銘柄が上げ、ウォルト・ディズニーは1%近く上昇しています。
ダウ平均構成銘柄以外では、ネットフリックス(NFLX)が投資判断の引き上げを受けて3%余り上げました。半導体大手のブロードコム(AVGO)も市場予想を上回る第1四半期の売上高見通しを示したことで2%を超える上昇となりました。カナダのスポーツ衣料大手のルルレモン・アスレティカ(LULU)はクリスマス商戦を含む第4四半期の売上高見通しが市場予想を下回ったことで13%近く下げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は米PPIが市場予想を上回ったことで0.10%高い3.58%となりました。ドル円は136円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)