一週間のニューヨーク出張が終わります。日中も予定をパンパンに詰めて、夜もディナーの後に違うディナーに参加したりなどして、とにかくとても忙しい一週間でした。「こうすれば良かった」と反省する点や、「あれをやらねば!」と課題発見も多々あり、心身共に負荷の高い一週間でした。しかしまぁいつもニューヨークに来るとこんな感じになります。

今回、ひとつだけいつもと違う出来事・体験がありました。セントラルパークの南西の角、コロンバスサークルは、私は頻繁に通る場所なのですが、その構造について初めて気が付いたのです。コロンバスサークルは、その名の通りサークル、中央にある塔を囲んで円形に道路が作られており、いわゆるランナバウト、車が左回りに回って五叉路のそれぞれの道に曲がっていけるようになっています。かなり大きな場所で、歩行者が反対側に行く時にも、車のランナバウトの外側の歩道を大きく回って行くことになります。いや、そう思い込んでいました。そう考えていつも大きく回っていました。

それが今日、五叉路のひとつからもうひとつに向かう時に、大きく回るのではなく、塔のある中心の円形地帯に入って、外回りよりも遙かに短い距離で横断できることを知りました。えっ?!こんな風になってたっけ?過去35年間以上、何度も何度も通ってきたはずなのに、そんな構造になっていることを知りませんでした。

もしかしたらこの内側構造を前に使って歩いたこともあったかも知れませんが、少なくとも今の自分の記憶や認識には、まったくありませんでした。なんか反宇宙というか、似てるけれども違う世界に迷い込んだような、とても不思議な感覚に囚われました。一緒に歩いていた、ニューヨークに住んでいたこともある、当然この地にとても詳しい同僚も、私と全く同じ感覚を持ちました。

人は、一旦ある認識を持ってしまうと、その枠組みに収まらないものは、目の前にあっても気が付かないものなのですね。部屋に帰ってきても、さっきまで絶対ないと思っていたもの、あれ?どこにあるんだろう?などと思っていたものが、堂々と目の前にあることに驚きました。誰かが部屋に入って来て置いていったのではないか?とさえ感じたほどです。

翻って考えてみると、見えてないことって一杯あるのでしょうね。先入観を意識的に取り除くことが、とても重要であると染み染み思った次第です。さて、今回も実りの多いニューヨーク出張でした。今回得た多くの気付きを、しっかりと結果に結びつけていきたいと思います。