東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続落となりました。64円安の27,622円で寄り付いた日経平均は直後に42円安の27,643円を付けた後下げ幅を広げ11時前に270円安の27,415円まで下落すると205円安の27,480円で前場を終えました。

節目の27,500円を回復し176円安の27,510円でスタートした後場の日経平均は27,500円を上回って推移し引けにかけてやや下げ幅を縮めると大引け間際に105円安の27,581円まで戻し結局111円安の27,574円で取引を終えています。こうしたなかで新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

良品計画(7453)が3.2%高となりました。無症状感染者や軽症者の自宅隔離を認めるなど中国政府が新型コロナウイルスの感染を封じ込めるための厳しい「ゼロコロナ」政策の大幅緩和を発表したことから中国で多くの店舗を展開する良品計画に物色の矛先が向かいました。システム開発のアイル(3854)も6.3%高となり年初来高値を更新しました。半導体不足によるサーバー機器の納品遅延の影響が解消されたことなどで売り上げが伸びたことや、売上総利益率が向上したこともあり第1四半期の営業利益が前年同期比で2.2倍となったことで買いを集めました。

一方で第3四半期決算を発表した業施設などの企画・施工を手掛ける丹青社(9743)が7.9%安となりました。コスト削減を進める商業施設や飲食店などが投資を抑えていることから店舗の内装工事の需要が減っていることや、価格競争が激しく利幅が縮小することなどから通期の営業利益の見通しを25億円から2億円に下方修正したことで売りが膨らみました。カメラや時計の中古品ネット販売を手掛けるシュッピン(3179)も10.3%安となりました。11月の月次売上高が前年比4.8%増に止まり、9月の18.0%増や10月の7.2%増から伸びが鈍っていることを嫌気した売りがかさみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は111円安となりました。昨日の米国市場でダウ平均がほぼ横ばいとなるなか、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数が下落となったことで売りが優勢となりました。一時は270円安まで下げ幅を広げ節目の27,500円を割り込む場面もありましたが、後場に入って下げ渋ると27,500円を上回って取引を終えています。

しかし、ここのところサポートとなっていた75日移動平均線(27,584円)を割り込んだことで下値への警戒感がやや意識されそうで、年末株高への期待も一旦後退しそうです。

なお、日本時間の22時30分には米新規失業保険申請件数が発表される予定です。また、明日は3ヶ月に一度のメジャーSQで寄り付きの動向が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)