自動車株、主要6社の株価推移
TOPIX(東証株価指数)が、2022年の安値をつけたのは3月9日でした。米ドル/円も3月9日を含む3月11日週から円安方向に騰勢を強め、当時1ドル=110円台だった相場は10月に151円台まで1本調子で円安が進む結果となりました。
その一方、TOPIXは上げ下げの繰り返しでボックス相場にとどまっています。現在はボックス相場の上限に近づく感じになってきましたが、2023年に向けて上放れとなってくるでしょうか。そのカギを握るのは、トヨタ自動車(以下、トヨタ)(7203)の動向次第といっても過言ではありません。
自動車株の主要6社、トヨタ、ホンダ(本田技研工業)(7267)、日産自動車(7201)、SUBARU(7270)、マツダ(7261)、三菱自動車工業(7211)の株価推移を、TOPIXが年初来安値をつけた 3月11日週以降でみると、トップは三菱自動車、次にマツダ、SUBARUと続きます。
そして下位で団子レースになっているのが、ホンダ、日産自動車、トヨタです。この状態は9月から変わっていません。
トヨタは11月第1週目に最下位に沈みました。ただ、最下位に沈んだといっても、トヨタのテクニカル分析が決してネガティブというわけではありません。逆に日柄調整がようやく終わりに近づき、円安方向に連動しやすい体感になってきているような気がします。
米ドル/円とトヨタの値動きの相関関係
その根拠として7月のコラムで取り上げた、米ドル/円とトヨタの値動きの相関性(9週)に再度注目しました。両者の2015年以降の相関係数をみると、9月後半にこれまで最低となる「−0.89」をつける場面がありました。
しかし、そこから上昇を続け、現在は「+0.05」と正の相関になってきています。相関係数は一般的に「+1 」に近ければ近いほど「強い正の相関がある」、「−1 」に近ければ近いほど「強い負の相関がある」、「0」 に近いほど「ほとんど相関がない」と判断します。今現在はほとんど相関がない状態ですが、9月の底から上方向が続いてプラス領域に入っています。
2015年以降をみると、上限は「+1」に近い水準。ここから「+1」に近づいていく展開を想定すれば、次の円安局面でトヨタはようやくポジティブに動き出す可能性が高いとみられます。