<< <<【前編】日本株の安定配当・連続増配+米国ETF投資戦略を構築!

投資熊さんが保有する配当銘柄

――日本株への投資では、主に配当目的で長期保有を基本スタイルとされていますが、保有している銘柄を教えていただけますか。

「配当枠」としては、INPEX(1605)や三菱商事(8058)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、花王(4452)、信越化学工業(4063)、オリックス(8591)、三菱HCキャピタル(8593)、NTT(9432)、KDDI(9433)、日本駐車場開発(2353)、ブリヂストン(5108)、トヨタ自動車(7203)、トランコム(9058)を保有しています。これらの銘柄を少しずつ買い足し、保有株数を増やしていく予定です。

――毎年、どのくらいの配当収入を得ていらっしゃるのでしょうか?

配当収入は着実に増えています。直近のポートフォリオで計算してみると、日本株と米国株の合計で約19万円です。雪だるま式に配当をどんどん大きくしていくつもりです。

――最近ポートフォリオに追加した銘柄は?

今年9月に、米国株では「DGRM(ウィズダムツリー米国株クオリティ配当成長ファンド、ベンチマークはウィズダムツリー 米国株クオリティ配当成長インデックス)」、日本株では今後業績の伸びに期待してエムスリー(2413)を追加しました。

米国ハイテク株を割安に仕込むチャンス

――今、注目されているセクターや銘柄を教えていただけますか?

利下げとリセッションからの回復がおそらく次の局面になると思っていて、それを見越して投資する銘柄を探しています。なかでも、注目しているセクターはハイテク関連。現在はハイテク株を割安に仕込めるチャンスだと考えているので、動向を探っている状況です。

ただ、基本的にたくさんの銘柄を持つことは考えていませんし、銘柄を狙う時には年単位で動向を見守ってタイミングをはかるようにしています。

――毎月の給料から一定額を投資に回してらっしゃるのでしょうか。

はい。金額には多少の変動があるものの、毎月の給与からいくらかを投資に回し、賞与の一部を投資に充てています。今年の夏の賞与90万円は、実家の森への帰省費用と家族に渡すお金として20万円、四十肩と歯の治療費に数万円~十数万円、投資に20~30万円程度、健康食品・サプリメント代に2~3万円、はちみつ代に2万円程度を使いました。

価格変動リスクに耐える3つのポイント

――株式市場は見通しが難しい局面が続いていますが、クマさんが価格変動リスクに耐えるうえで重要だと考えていることは何でしょうか?

価格変動リスクに耐えるためには、「想定すること」と「本質を考えること」と「なぜ自分がその銘柄を保有したのか」の3つが重要だと考えています。

「想定すること」とは、例えば、ETFなどインデックスへの投資であれば、過去の値動きを徹底的に分析することによって、どのような場面で、どの程度まで下落する可能性がありうるのかを学び、今後も同じこと(場合によってはそれ以上のこと)が起こりうるという前提で、その場合に自分はどうするか、シナリオを持っておくことです。

「本質を考えること」は、例えば、金融政策の変更や不況で株価が暴落した際や、株式市場の長期的な低迷が来た時に、保有銘柄がどのような影響を受け、どう株価が変動するかをしっかり見定めることです。

一例を挙げると、マイクロソフト社の製品は、米国の政策金利が利上げされたり、不況が来たりしても、利用者数は多少減るかもしれませんが、製品は使い続けられるでしょう。花王の製品も同様だと思います。資源(コモディティ)の需要も減る可能性はあっても、なくなることはないでしょう。だとすれば、暴落局面でも持ち続けられるかと思います。

「なぜ自分がその銘柄を保有したのか」は、文字通りではありますが、迷ったら初心に帰ってみることが意外と良かったりします。例えば、自分が持っている銘柄が大暴落したとします。どうした方がいいかかなり迷うと思います。その時に、なぜ自分がこの銘柄を買ったのか思い出してみることです。

長期視点で今後の成長に期待して買ったのであれば、その成長要素がなくならない限りは、どこかで戻すことも考えられます。逆に、短期視点で値動きしか見ていない場合、近々上がりそうな材料がない限りはすぐに売却した方が資金効率が良くなるでしょう。

――クマさんはどの程度の下落までなら耐えられると思いますか。

投資を始めた頃から比べて知識も経験も増えましたし、暴落局面に強い傾向の銘柄もある程度見当がついていますし、今は50%以上の下落でも余裕で耐えられると思います。

下落局面であれば、そういう下落でも強い銘柄で耐えながら、次の上昇局面に向けて着々と仕込んでいると思います(笑)。もちろん自分のシナリオとズレたら損切りすることもありますが…。

会社員として働き、給料を得ていれば、仮に株価が暴落して資産が半分になったとしても、いきなり生活が危機的状況に陥るわけではありません。その意味では、会社員をやりながら投資をしていますので、リスクコントロールができていると考えています。

――新興国株の保有を検討されているそうですが、理由を教えていただけますか?

新興国のなかには、米国や全世界の株式市場の平均リターンを上回るポテンシャルのある国があるかもしれないと考えているからです。とは言え、新興国株式への投資にすごく前向きかと聞かれれば、そうでもありません。「VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF、ベンチマークはFTSE グローバル・オールキャップ・インデックス)」で世界の株式市場に広く分散投資していますし、新興国株式のETFは経費率が高いものが多いので、それほど積極的に考えているわけではありません。今は米国や全世界以上に伸びそうな国を探っているところです。

1分1秒も無駄にしたくない思いで過ごす日々

――投資に関する情報収集のポイントを教えてください。

情報は出所をしっかりチェックするようにしています。TwitterなどのSNSの情報は速報性は高いものの、正確さには疑問が残るもの、発信者の意図が働いているものも少なくありません。情報を鵜呑みにせず、必ず情報ソースを探して一次情報にあたり、しっかりファクトチェックをしているようにしています!

情報収集では、BBCやCNBC、ロイター通信、ブルームバーグなどの信頼性の高い海外のニュースサイトを活用しています。BBCやブルームバーグは、日本語サイトもあるので、英語が得意でない方でも利用しやすいと思います。仕事が終わったあと、夜の時間帯にチェックすることが多いですね。

――クマさんは普段の生活の中でどれぐらいの時間を投資にかけていますか。

2020年6月に本格的に投資を始めてからは投資のことを考えない日は1日もありません。ブログの更新やTwitterでの投稿も含め、1日も休まず駆け抜けてきた感じです。週末、仕事が休みの時もいつも投資のことを考えています。もちろん投資だけではなく、趣味も全力で楽しんでいるので、今は1分1秒も無駄にしたくない思いで、睡眠も必要最低限に抑えています(笑)。

投資を始める前にやるべきこと

――最後に、これから投資を始める20代、30代の人にアドバイスをお願いします。

投資をするうえで一番大切なことは、「何のために投資をするのか」をしっかり考えることだと思います。それと、これは個熊的な意見ですが、投資はあくまでも人生(熊生)を豊かにするしための一手段に過ぎません。つまり、投資は人生の全てというわけではないのです。

投資を始めるにあたって、まずやるべきことは、銘柄を選ぶことではなく、自己分析をすることです。「何のために投資をするのか」を考えることも、これに当てはまります。

自己分析では、「投資で成し遂げたいことは何か」、「どれくらいのリターンを望むのか」、「どのようなスタイルを好むのか」、また、自分のライフスタイルや普段の考え方に照らし合わせて「どれくらいのリスクなら受容できそうか」などを考えます。

なぜ自己分析が重要かというと、自分の軸が定まっていないと、ネット上に溢れる情報や、周囲の人が発信する情報に振り回されてしまい、あれこれ手を出した結果、意図しない損失につながる可能性があるからです。私自身の経験から、特にSNSでの情報はしっかり吟味する必要があると思います。

リスクを取る場合は、自分がコントロールできる範囲内に抑えることが大切です。例えば、「保有銘柄の値動きが気になって夜も眠れない」、「値動きに耐えられない」。「下落時にはすぐパニックになって損切してしまう」という人は、たいていの場合、リスクの取り過ぎ、ポジションの持ち過ぎだと思います。

冷静な判断ができないほど、リスクを取ったり、ポジションを持ったりしていると、かえってチャンスを逃す可能性があります。相場が自分の予想と反対に動いた場合でも、自分にとって都合のいい理由をつけて正しい判断ができず、損失を膨らませてしまうかもしれません。

未来のために一歩踏み出して投資を始めることは、人生を豊かにすることにつながるでしょう。しっかり勉強し、きちんと情報を収集・分析すれば、失敗する確率も減ると思います。
もちろんそんなに簡単な話ではありませんが、始めてみないと何も成し遂げられません。

まずは、千里の道も一歩からということで、自分と向き合って自己分析する。そのうえで、日常生活に影響を及ぼさない範囲でお金を捻出し、自分がコントロールできる範囲内にリスクを抑えて、はじめの一歩を踏み出してみるといいと思います!

――本日はありがとうございました。

ありがとう。引き続きよろしクマね~🐻🐻

※本インタビューは2022年11月4日に実施しました。
※本内容は、個人の経験に基づく見解であり、当社の意見を表明するものではありません。
※投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようにお願いいたします。