【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ:  33,536.70   ▼211.16  ( 11/14 )
NASDAQ:  11,196.22   ▼127.11  ( 11/14 )

1.概況

米国市場は利益確定の売りが出て3日ぶりに反落となりました。85ドル安でスタートしたダウ平均はしばらく前日終値を挟んで揉み合いましたが、米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード副議長が利上げペースを減速するのが間もなく適切になると述べたこともあり昼頃から買いが優勢になると上げ幅を広げ216ドル高まで上昇しました。

しかし、その後利益確定の売りが出て伸び悩むと引けにかけてマイナスに転じ下げ幅を広げました。結局ダウ平均は211ドル安の33,536ドルと安値圏で取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も127ポイント安の11,196ポイントとなっています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちヘルスケアを除く10業種が下げました。そのなかでも不動産が2%を超える下落となったほか、一般消費財・サービスと金融、公益事業も1%以上下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではウォルマート(WMT)が3%近く下落したほか、ホーム・デポ(HD)とマイクロソフト(MSFT)、ダウ(DOW)、ボーイング(BA)も2%以上下げています。また、ナイキ(NKE)とユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、スリーエム(MMM)、JPモルガン・チェース(JPM)も1%以上下落しています。一方でメルク(MRK)が2%を超える上昇となり、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も1%以上上げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、バイオ製薬のモデルナ(MRNA)が新型コロナウイルスのオミクロン株派生型に対応した改良版の追加接種ワクチンの治験で抗体の量が大幅に増えるなど有効性が確認されたと発表したことで4%を上回る上昇となりました。テスラ(TSLA)はイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が買収したツイッターの経営に忙殺されているとの見方が出て2%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%高い3.85%となりました。ドル円は139円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米国市場は反落となりましたが昨日の日本市場が米国市場に先行する格好で下げていることから本日は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか寄り付き前の8時50分に日本の7-9月期のGDP速報値が発表される予定で注目されます。また、日本時間の11時には中国で10月の鉱工業生産や小売売上高など数多くの経済指標が発表される予定です。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)