今週の大きなイベントは米国の中間選挙と消費者物価指数(CPI)である。中間選挙については、下院は共和党が優勢で、上院では接戦が予想されている。仮に両院とも共和党が過半数を占めれば、バイデン政権の残り2年はレームダック化する、と言われているが、「議会のねじれ」と大統領の残りの在任期間のレームダック化は、毎度のことなので、それほどネガティブに捉える必要もないだろう。また、そうなった場合、債務上限問題が取り沙汰されているが、こちらも毎度の茶番劇が繰り広げられるのは想定の範囲内。中間選挙は特段、相場の材料にはならないだろう。

10日発表の10月分の消費者物価指数(CPI)は総合が前年比+8.0%、コアで前年比+6.6%の市場予想。前回9月分はCPIが市場予想を上回ったが、米国株は上昇で反応した。インフレの耐性がついたか、あるいはFEDの利上げがオーバーキルになって早晩、利上げ打ち止めが意識された、もしくはイベント前にヘッジで売っていた向きの買い戻しに過ぎないか、本当の背景はわからない。ただ、今回はFEDの利上げ縮小観測が出ている中で、CPIが上振れると、株価の反応としては素直に売りが優勢となるだろう。9月から10月にかけてはガソリン価格が上昇しているので、これまでの数カ月に見られたようなエネルギー価格の下押しは期待できない。警戒して見守りたい。

そのほかのイベントとしては、11日に中国最大のネット通販セールの「独身の日」がある。中国のゼロコロナ政策緩和の憶測が高まっている時期だけに、中国の消費動向は市場の注目を集めるだろう。

国内では引き続き決算発表が多くある。7 日には味の素、エーザイ(4523)、NTTデータ(9613)、8 日には三菱ケミカル(4188)、ダイキン(6367)、任天堂(7974)、三菱商(8058)、NTT(9432)、9 日にはキリン(2503)、三井不(8801)、10日には大和ハウス(1925)、日揮(1963)、富士フイルム(4901)、資生堂(4911)、ENEOS(5020)、東京エレク(8035)、11 日には三越伊勢丹(3099)、日本郵政(6178)、ソフトバンクG(9984) などの発表が予定されている。 なかでも任天堂、東京エレク、ソフトバンクGの決算に注目したい。ソフトバンクGは10月に入ってから一本調子の上昇で先週も年初来高値を更新している。この勢いがさらに続くか、あるいは転機となるか、重要な決算発表となる。

今週の日経平均の予想レンジは2万6500円~2万8000円とする。