今週(10月21日~10月27日)の相場動向
相場回顧 BTC:米FRBの利上げペース減速への期待からBTC=20,000ドルを回復
ビットコインは米長期金利が約15年ぶりの高水準まで上昇するなかBTC=277万円(19,000ドル)を割り込んだ。しかし、米FRBが12月FOMCで利上げペース減速を協議する可能性が報じられると、米長期金利が低下に転じ、米国株とともに買い戻しが強まった。米当局者による同様の発言も市場の安心感につながり、じりじりと価格を伸ばした。米SECのゲンスラー委員長が暗号資産規制強化の姿勢を示し、BTC=292万円(20,000ドル)を前に上値が重くなったが、英新首相就任に伴う政治リスクの後退や予想を上回る米企業決算などを受けて堅調に推移した。10月25日には米長期金利が大きく低下するなか金相場とともに急騰し、デジタルゴールドとしての思惑からBTC=292万円(20,000ドル)を回復した。ハイテク大手の業績悪化によりもみ合う場面もみられたが、カナダ中銀が予想に反して利上げ幅を縮小したことで米連邦準備制度理事会(FRB)追随観測が浮上し、一時BTC=306万円(21,000ドル)付近まで上昇した。市場がリスクオンに傾くなかイーサリアムやドージコインといった主要アルトコインの高騰も相場を押し上げた。その後は日欧の金融政策決定会合の内容を見極めようと様子見ムードが広がった。
来週(10月28日~11月3日)の相場予想
BTCは米FOMC次第でさらに上昇するか、コインベース決算にも注目
金融市場では米国における利上げペース縮小への期待が高まっている。来週に控える11月FOMCでの0.75ポイント利上げは市場に大方織り込み済となっているが、パウエルFRB議長が12月FOMCでの利上げ幅縮小の可能性に言及した場合には、ビットコインも米国株とともに上昇する可能性は高いだろう。ISM関連指数や雇用統計など重要経済指標の発表もあり、これらの内容によって積極的な利上げ継続への懸念が後退すれば、同様に買いが強まることも考えられる。一方で、直近の上昇は一時的な回復にすぎないとの見方も多く、トレンド転換を占うには各国のインフレおよび景気動向を引き続き注視しなければならない。
暗号資産市場では各国の規制リスクが意識されている。米国ではSECによる暗号資産関連企業の取り締まりが継続しており、新たな指摘や摘発によって短期的に買いが控えられる面はあるだろう。しかし、中長期的には投資家の参入を後押しするとの見方もあり、ステーブルコインや分散型金融などに関連した大きな動きがない限りは相場への影響は限定的と思われる。また、来週はコインベース【COIN】の決算発表もあり、機関投資家層の取引高や資産高に改善がみられれば買いが強まることも考えられる。
直近上値としてBTC=336万円(23,000ドル)、下値としてBTC=277万円(19,000ドル)を意識する。
※1ドル=146.00円で換算(執筆時)