【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 32,033.28 △194.17 ( 10/27 )
NASDAQ: 10,792.68 ▼178.32 ( 10/27 )
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は市場予想を上回る決算を発表した銘柄が買われ5日続伸となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は主力ハイテク株への売りが続き続落となりました。223ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に549ドル高まで上昇した後伸び悩み上げ幅を縮めましたが、その後も堅調に推移すると結局194ドル高の32,033ドルで取引を終えています。
一方でS&P500株価指数が23ポイント安の3,807ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も178ポイント安の10,792ポイントとなっています。
2.経済指標等
7-9月期の米実質GDP速報値は年率換算で前期比2.6%増となり市場予想を上回りました。先週一週間の米新規失業保険申請件数も前週比3000件増の27万7000件となりましたが市場予想ほど悪化しませんでした。一方で9月の米耐久財受注額は前月比0.4%増に止まり市場予想を下回っています。また、欧州中央銀行(ECB)は理事会で政策金利の0.75%の引き上げを決めています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち資本財・サービスや金融、公益事業など5業種が上げ、資本財・サービスは1%以上上昇しました。一方でコミュニケーション・サービスや情報技術、一般消費財・サービスなどの5業種が下げ、コミュニケーション・サービスが4%余り下落したほか、情報技術も1%を超える下げとなりました。不動産は変わらずとなっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では決算が市場予想を上回る増収増益となったキャタピラー(CAT)が7%を超える上昇となったほか、ボーイング(BA)も4%以上上げました。決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったマクドナルド(MCD)も3%を上回る上昇となり、決算で通期の業績見通しを上方修正したハネウェル・インターナショナル(HON)も3%以上上げています。一方でインテル(INTC)とアップル(AAPL)が3%を超える下落となっています。
ダウ平均構成銘柄以外では、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)が決算で10-12月期の売上高の見通しが市場予想を下回ったことなどで投資判断や目標株価の引き下げが相次ぎ24%を超える下落となっています。また、4%余り下げたアマゾン・ドット・コム(AMZN)も取引終了後に決算を発表し10-12月期の業績予想が市場予想に届かなかったことから時間外で急落となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.08%低い3.92%となりました。ドル円は146円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場でハイテク株への売りが続きナスダック総合株価指数が大幅安となったことから下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の27,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。また、本日は昼頃に日銀の金融政策決定会合の結果が発表される予定で、一部には日銀が政策修正に動くのではないかとの見方もあることから注目されます。
( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)