東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて3日続伸となりました。160円高の27,410円で寄り付いた日経平均は直後に154円高の27,404円を付けた後上げ幅を広げると前引け前に327円高の27,578円まで上昇し326円高の27,577円で前場を終えました。320円高の27,570円でスタートした後場の日経平均はしばらく節目の27,500円を上回って推移しましたが、14時10分頃から27,500円を下回って推移すると結局181円高の27,431円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
第3四半期決算を発表したシマノ(7309)が5.1%高となりました。主力の自転車部品が高価格帯を中心に好調に推移していることなどで通期の営業利益の見通しを1610億円から1635億円に上方修正したことで大幅高となりました。オービック(4684)も5.0%高となり年初来高値を更新しました。主力の統合基幹業務システム(ERP)が好調だったことや、システムインテグレーション事業とシステムサポート事業も伸びたことなどで上期の営業利益が前年同期比で16.5%増となったことで買いが優勢となりました。デンカ(4061)も6.4%高となりました。原料の石灰石の採掘やセメント生産から撤退し、電気自動車向けの材料など収益性が高い製品に注力すると発表したことを好感した買いが入りました。半導体商社のリョーサン(8140)も13.4%高となり年初来高値を更新しました。半導体や電子部品など幅広い商品の販売が伸びていることなどから通期の営業利益の見通しを70億円から130億円に引き上げたことで買いを集めました。
一方で山崎製パン(2212)が6.8%安となりました。1月と7月の値上げで採算が改善したことから第3四半期の営業利益は前年同期比で17.0%増となりましたが、通期予想に対する進捗率が66.8%に止まったことで業績の下振れを懸念した売りが出ました。また、投資判断と目標株価の引き下げを受けて大手海運株が安く、日本郵船(9101)が2.7%安、商船三井(9104)が3.2%安、川崎汽船(9107)も3.0%安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は181円高となりました。米長期金利の低下を受けて昨日の米国市場が続伸となったことから買いが優勢となりました。一時は75日移動平均線(27,531円)を上回る場面もありましたが、75日移動平均線を小幅に上回ったところで伸び悩むと75日移動平均線や節目の27,500円を下回って取引を終えています。そのため75日移動平均線が上値抵抗線として意識されそうで、明日から決算発表が一段と本格化するなかで75日移動平均線を超えてさらに水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。
なお、本日も引け後には日立建機(6305)やオムロン(6645)、日東電工(6988)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の23時には9月の米新築住宅販売件数が発表されるほか、26日の米国ではボーイング(BA)やフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)、フォード・モーター(F)などが決算発表を予定しています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)