今週の株式相場は戻りを試す展開か。その場合の第一関門は日経平均で2万7200円どころにある200日移動平均を抜けるかどうか。それを越えれば、次は75日線近辺の2万7500円までの展望が開けるだろう。
戻り相場の前提条件は米国市場が堅調な展開となることだ。先週末、ウォール・ストリート・ジャーナルが、「FRBは11月のFOMCで、12月会合での利上げ幅縮小について協議する」と報じた。長期金利は一時4.3%台の高水準を付けていたが、その報道を受けて4.2%台に低下した。これがNYダウの大幅高の背景だ。今週も米国長期金利の動向から目が離せない。
今週は久しぶりに日銀会合が注目を集めそうだ。というのも、先週末、政府・日銀が円買い・ドル売りの為替介入に再び踏み切ったからだ。9月22日と同様、日本の単独介入とみられる。円相場は一時1ドル=144円台まで7円以上急騰した。
今回もまた効果は一時的と市場では見られている。その理由の最たるものは、日銀が金融緩和を続けながら、円安を介入で抑制しようとする「政策矛盾」である。もし政府・日銀が本気で円安に歯止めをかけたいなら、日銀の金融政策もなんらかの修正があって然るべきだろうという市場の思惑が高まっている。
日本の長期債利回りはイールドカーブコントロールの上限0.25%付近での高止まりが基本的な見方だが、上述した理由から27日からの金融政策決定会合に向けて金融政策の「微修正」を見込んだ投資家からの売り圧力がかかりやすい。特に海外勢が政策変更を見込んで債券売りに動いている兆候がある。
ただ、結局は日銀は現状維持を決め込むだろう。反動で為替・金利が波乱の展開となることには警戒が必要だ。
今週の株式相場の注目点は決算発表が本格化することだ。米国ではアップルやマイクロソフトなど主要ハイテク企業が決算を発表する。ハイテクでは、マイクロソフト、アルファベットが25日、メタが26日、アップル、アマゾンが27日に発表する。自動車では、GMが25日、フォードが27日だ。その他、ボーイング(26日)、キャタピラー、インテル(27日)、エクソン(28日)など主要企業の決算発表が目白押しである。
日本でも24日の日本電産(6594)を皮切りに、26日にはキヤノン(7751)、27日には信越化学(4063)、武田(4502)、OLC(4661)、富士通(6702)、アドバンテスト(6857)、ファナック(6954)、28日には日立(6501)、NEC(6701)、キーエンス(6861)、デンソー(6902)など徐々に佳境に向かう。円安効果もあって日本企業の決算は悪いものにはならないだろう。この決算発表のタイミングが株価浮上のきっかけになると思われる。
日経平均の今週の予想レンジは2万7000円~2万7500円とする。