今週の日本株相場は先週末の大幅高の反動と米国株安を受けて売り先行で始まるだろう。先週末、日経平均は850円余り上昇した。半値押し程度の400円安辺りで止まれば上出来か。いずれにせよ、下旬から本格的に始まる中間決算を前に今週は動意に欠ける展開となるだろう。一進一退で2万6000円台後半を固める動きとなりそうだ。

先週末の米国株市場は大幅反落となった。売り材料は、ミシガン大の消費者調査で1年先の予想インフレ率が5.1%と7月以来の高水準となったことだった。ダウ平均は403ドル安で引け、前の日に800ドル超上げた半分程度を帳消しにした。前日の大幅上昇は景気減速を織り込んで長期金利が低下したためだが、金曜日は予想インフレ率の上振れで債券安(金利上昇)となった。つまり、景気減速とインフレの間を行き来しているのが今の相場である。

今週の経済指標は17日に10月のニューヨーク連銀景気指数、18日に中国の7-9月期GDP、9月の鉱工業生産、小売売上高、米国でも9月の鉱工業生産などが発表になる。注目は19日に公表される米地区連銀経済報告(ベージュブック)だ。景気減速とインフレの間を行き来しているのが今の相場だと上述したが、その意味ではベージュブックで景気減速の兆候が増えている報告が見られれば、長期金利の低下につながり相場のサポート材料となるだろう。

引き続き米国では決算発表が相次ぐ。バンク・オブ・アメリカ、バンク・オブ・NY(17日)、ゴールドマン・サックス(18日)など金融のほか、ユナイテッド(18日)やアメリカン(20日)といった航空会社、AT&T(20日)やベライゾン(21日)などの通信も決算を発表する。注目は個人にも馴染みの深いネットフリックス、ジョンソン・エンド・ジョンソン(18日)、プロクター・アンド・ギャンブル、IBM、テスラ(19日)などの決算だ。

米国以外では欧州で19日にASMLホールディング、国内では20日にディスコ(6146)が決算を発表する。両者の決算は半導体関連企業に影響を与えるので注目度が高い。

対ドルの円相場は14日に一時、約32年ぶりの円安・ドル高水準となる1ドル=148円台まで下落した。市場では円相場への為替介入の有無を巡り、政府と投資家の神経戦が激しくなっている。為替の荒っぽい動きにも目配りが欠かせない。

今週の日経平均の予想レンジは2万6500円~2万7200円とする。