東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて大幅続落となりました。358円安の26,757円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ高値に下げ幅を広げると11時20分前に669円安の26,446円まで下落し635円安の26,480円で前場を終えました。634円安の26,481円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を広げ14時過ぎに746円安の26,369円まで下落すると結局714円安の26,401円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

高島屋(8233)が一時7.3%高となり年初来高値を更新しました。百貨店事業での客足回復や円安により海外子会社の利益が押し上げられることなどを理由に通期の営業利益の見通しを175億円から255億円に上方修正したことで上げ幅を大きく広げる場面がありました。本決算を発表したコジマ(7513)も6.2%高となりました。大型家電を中心に販売を強化して利益率を向上させることや、太陽光発電や蓄電池、電気自動車用充電スタンドなど環境を意識した商品も拡充させることなどで2023年8月期の営業利益が前期比で3.6%増となる見通しを発表したことで買いを集めました。キユーピー(2809)も3.6%高となりました。食用油などの原材料価格の上昇が重荷となり第3四半期の営業利益は前年同月比で2.3%減となりましたが、通期予想に対する進捗率が82.3%となったことで業績の上振れを期待した買いが入りました。

一方で上期決算を発表した安川電機(6506)が6.0%安となりました。材料費や物流費の高騰が利益を押し下げることで通期の営業利益の見通しを720億円から700億円に下方修正したことで売りが優勢となりました。サカタのタネ(1377)も14.6%安となりました。販管費の増加が重石となり第1四半期の営業利益が前年同期比で25.6%減と大幅な減益となったことで売りが膨らみました。アダストリア(2685)も4.5%安となりました。行動制限の緩和で外出機会が増え店頭売り上げが回復したうえ、値引き販売を抑制したこともあり上期の営業利益は前年同期比で8.8倍と急回復をみせましたが、通期予想が据え置きとなったことで失望売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は714円安となりました。米雇用統計で失業率が3.5%に低下するなど労働市場の過熱感が依然として強いことが示されたことで米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを続けるとの見方が強まり米国市場が続落となり、ダウ平均が先週末と昨日の2日間で720ドル以上下げたことで大幅安となりました。朝方には節目の26,500円を前に下げ渋る場面もみられましたが、10時50分過ぎに26,500円を割り込むとさらに下げ幅を広げました。そのため下値への警戒感が意識されそうで、こうしたなかで明日以降も売りが優勢となった場合には3日と4日に空けた窓(26,633円-26,223円)を埋めたところで切り返すことができるかがポイントとなりそうです。

なお、先月下旬から小売り企業を中心とした2月決算企業の上期決算がスタートしていますが本日も引け後に高島屋やJ.フロント リテイリング(3086)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)