先週末、NYダウは3万ドルの大台を割り込みました。現在(9月26日執筆時点)はコロナショック前の高値とほぼ同じ水準で推移しています。29,000ドルを明確に割り込みますと、下落トレンド開始となるのでしょうか。
先週水曜日(9月21日)のFOMC(米連邦公開市場委員会)では市場の予想通り、0.75%の利上げが決定されました。これにより政策金利は3.00-3.25%となっています。9月上旬の市場コンセンサスでは、11月に0.50%の利上げ、12月に0.25%の利上げが予想されていましたが、利上げペースがさらに加速するのではないかという見通しも出てきています。2023年のドットチャートでは金利が平均4.5-5.0%と算出されており、2023年のピークは最大5.0%と予想されています。
しかし、この予想はあまり当てにならないと考えています。1年前の予想では、2022年の金利見通しはせいぜい2%が限度でした。よって、さらなる上方修正の可能性もあり、それが現実的になれば、株式市場から資金が抜けていくことも考えられます。
このような状況から株式市場はさらなる下落に見舞われる可能性が高いと感じます。ただ、9月のBTC(ビットコイン)は底堅さが見られました。私はFOMC前には悲観的な見方をしていましたが、少しポジティブに戻したいと思います。
では、チャートを見ていきましょう。
BTC(ビットコイン)、チャネルレンジ下抜けも限定的か
BTC/JPYチャートです。並行チャネルレンジ下限ラインに張り付いており、今にも底抜けそうですが、この水準で何日も踏ん張りを見せている状況です。短期的な資金が抜けきっている可能性が高く、残っている長期投資家の資金のみが市場に滞留しているように感じます。
下落する材料として考えられるのは、大規模なハッキング被害や米国などでの暗号資産に対する規制強化ぐらいでしょうか。または投機的な売りトレードで下サイドを狙ったオプショントレード絡みだと考えます。その場合、トレーダーは買い戻す必要があるため、底堅い推移になるでしょう。
BTCは2017年12月に史上最高値を付けて、その後2018年12月まで大幅なドローダウン(下落率)となりました。今回、BTCは2021年11月に高値を付けてから10ヶ月ほど調整が続いています。あと1ヶ月経てば、ほぼ1年間調整を演じたことになりますので、アク抜け感も出てきそうです。
2018年は11月に底割れして12月に完全ボトムになりました。今回もその動きが出ることに警戒が必要ですが、買い下がる準備をしておくのも1つの策でしょう。
MACDは相変わらず0.00ラインで推移しており、方向感に欠けています。移動平均線は短期、中期、長期と下から順序よく並んでおり、まだ下落相場のシグナルを点灯中です。
並行チャネルレンジ下限で押し目買いを検討したいところですが、もう一段安を警戒して、今週もこの水準でのエントリーは見送ろうと思います。2022年の最安値である240-250万円ゾーンでようやく打診買いから入り、200万円にかけてゆっくり買い下がるイメージでしょうか。
リスクオフの傾向が強い9月もあと数日で終わります。10-11月は押し目買いを狙いたいところです。
ETH(イーサリアム)、マージ後の落ち着きを取り戻す展開
続いてETH/JPY日足チャート分析です。
並行チャネルレンジはBTCと似た形状となっています。大型アップデート「Merge(マージ)」後の落ち着きを取り戻し、ハードフォーク狙いの投資も一巡したように思います。
並行チャネルレンジを抜けた場合、次のサポートは17万3,000-4,000円近辺になります。ここを割り込むと15万円あたりが意識される展開だと考えます。円建てでは2022年の最安値を割り込むことを防衛できるかもしれません。
BTC同様に押し目買いスタンスを堅持します。17万5,000円では打診買いを、もう1エントリーは15万円手前から検討したいところです。14万円を下回る場合は損切りを実施するスタンスです。
20万円手前に利益確定ポイントを置くイメージです。17万5,000円で反発して18万円台後半に価格を戻す場合は、損切り位置を17万円前半に移し、急落に備えることも1つの手だと考えます。
本格的な反発を目の当たりにしたころで、ようやく買いに入るイメージで十分だと思います。まだ底堅さを確認した程度ですので、買い向かいたい気持ちを抑えつつ、米CPIの低下が明確になりはじめた頃から、本格的な買いを狙っていくと良いと感じます。そのタイミングは、10-12月に訪れるのではないかと予想しています。
今週も慎重姿勢を堅持しながら、打診売買程度の押し目買い、上がったところは丁寧に利食いというスタンスで考えています。