東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて反落となりました。244円安の27,631円で寄り付いた日経平均は直後に220円安の27,654円を付けた後下げ幅を広げると10時20分過ぎに350円安の27,525円まで下落し301円安の27,574円で前場を終えました。293円安の27,581円でスタートした後場の日経平均は14時10分過ぎに268円安の27,607円を付けた後27,600円を小幅に下回って推移すると結局308円安の27,567円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

大手海運株の下げが目立ちました。景気減速懸念から米国や欧州の海外市場で海運株が売られた流れを受けて川崎汽船(9107)が5.1%安となったほか、日本郵船(9101)が一時3.2%安、商船三井(9104)も一時3.1%安となりました。アスクル(2678)も12.3%安となりました。稼働準備中の物流センターの地代・家賃や法人向けの新しいウェブサイトの構築に関連した設備投資の費用が重荷となり第1四半期の営業利益が前年同期比で9.6%減となったことで売りが膨らみました。

一方でキャンプ用品のスノーピーク(7816)が5.7%高となりました。国内はキャンプ以外の旅行需要が一時的に高まったことで振るわなかったものの、海外が好調で8月の売上高が前年同月比10.1%増となったことで大幅高となりました。M&A仲介大手のM&Aキャピタルパートナーズ(6080)も一時20.6%上昇しストップ高となる場面がありました。大型案件の成約件数が予想を上回っているうえ、さらなる積み上げも見込まれることなどから2022年9月期の業績予想を上方修正したことで買いを集めました。ダイドーグループホールディングス(2590)も一時2.9%高となりました。傘下のダイドードリンコとアサヒ飲料が自動販売機の運営を一部統合すると発表したことで提携による効率化を期待した買いが入りました。

また、投資判断や目標株価の引き上げを受けて買われたのがクスリのアオキホールディングス(3549)やリゾートトラスト(4681)で、クスリのアオキホールディングスが投資判断と目標株価の引き上げを受けて3.4%高となり、リゾートトラストも目標株価の引き上げを受けて一時3.1%高となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は308円安となりました。米連邦準備理事会(FRB)による利上げ加速への警戒感が引き続き意識されるなかハイテク株などを中心に売りが出て昨日の米国市場が下落となったことで反落となり、3連休を控えてポジション調整の売りも出てやや下げ幅を広げました。しかし、75日移動平均線(27,517円)をサポートに下げ渋ると節目の27,500円を上回って取引を終えました。連休明けは日本時間の22日に米連邦準備理事会(FRB)や日銀など世界の主要な中央銀行が金融政策を決める会合が重なる中銀デーを控え様子見となりやすいといえますが、こうしたなかで買いが優勢となった場合には昨日と一昨日に上値を押さえられた節目の28,000円を超えることができるかが、反対に引き続き売りが優勢となった場合には27,500円や200日移動平均線(27,412円)を維持できるかがポイントとなりそうです。

なお、日本時間の23時には9月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)