<< <<【前編】心をすり減らさない「ほったらかし投資」で貯蓄ゼロから資産2000万円超へ:30代元証券ウーマンさぶさん
米国株は1株から「買いたいと感じたときが買いどき」
――米国株はいつごろのタイミングで始められたのですか?
3〜4年前ですね。「1株から買える」のが米国株の魅力だと思うので、気になる銘柄を1株買ってみて、いいなと感じたら買い増すスタイルで続けています。英語が得意ではないので、基本的なスタンスは「分からないものに手を出さない」「買いたいときが買いどき」。初めて買った米国株は医薬品のアッヴィ(ABBV)でした。
ほかには、アップル(AAPL)やアルファベット(GOOGL)などGAFAの株や、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)のような高配当銘柄など、日本人にも馴染みのある大企業の株がほとんどです。今、30銘柄くらい保有していますね。ただ「身近な大型株」だとどうしても銘柄選定に偏りが出るので、エネルギー関連株を買うなど、セクター(業界)を分散させることも心がけています。
「相場がガクッと下がったときはチャンス到来」の精神で
――今後の投資戦略については、どのようにお考えですか?
現状寝かせてある現預金が数百万円ほどあるので、相場をにらみつつ、日本株と米国株に投資したいですね。具体的には、ジュニアNISAの枠を使って、子どもたちに株主優待が楽しめる日本株と、値上がり益や配当が期待できる米国株を購入したいと思っています。
老後資金については、高配当株の保有など、定年を迎えた後にインカムゲインをもたらしてくれる仕組みづくりにこれから着手したいです。現在の生活を楽しみつつも、自分でできる老後の年金・退職金づくりとして、老後を豊かに暮らす仕組みを整えていきたい。
「相場がガクッと下がったときはチャンス到来」というのは、証券営業時代に投資上手なお客様を見ていて実感したことです。逆に一番損するのは、狼狽売り。焦って売るのが一番悪手ということも学びました。上がっているときは欲をかかずに「天井かもしれない」と気を引き締め、「下がればチャンス」。そこはぶれずに、自分の気持ちをコントロールしていきたいと思います。
「手書きノート」で相場観を養う
――投資に強くなる情報収集法などはありますか。
証券ウーマン時代は、モーニングサテライトや日経新聞などのメディアをチェックするほか、ノートを毎日つけることをコツコツと続けていました。書き込んでいたのは、日経平均株価をはじめ、ナスダック総合株価指数、ダウ工業株30種平均、米ドル、ユーロ、豪ドルなどの為替。お客様によく聞かれる日本の代表的な大型株も毎日株価を記入していました。
前日比を書き込んでいて、三色ペンを駆使しながら、前日より上がれば赤ペン、下がれば青ペンでチェック。毎日続けていると、「毎週火曜は下がりやすいんだな」「月末は上げて終わる日が多いな」など、自分なりの相場観がいつの間にか身に付いたと思います。当時はウェブで見るだけでは備わらない、手書きの効果をひしひしと感じていました。すべての指数や為替をチェックしなくても、いつも使っている手帳のマンスリーページに、日経平均株価や気になる銘柄の株価をメモしていくだけで、値動きを把握できるようになるはず。ビギナーの方にもおすすめの方法です。
ポイントも資産の一部、徹底した「ポイ活」で物価高を乗り切る
――物価高の状況ですが、どのように家計を工夫されていますか?
ポイントも資産の一部だと考え、「ポイ活」に日々勤しんでいます。たとえば、楽しんで利用しているのが飲食店の覆面調査。レストランのモニターをすると、代金の50〜70%などがポイントバックされる仕組みとなっています。そうして貯めたポイントは、“ウエル活”でお得に活用しています。ウエルシア薬局が毎月20日に行う「お客様感謝デー」に、Tポイント(200ポイント以上)を使えば、1.5倍分の買い物ができるんです。これで、日用品費はほぼポイントでまかなえるようになりました。
ほかにも、ネットショッピングは買い物するタイミングを考えて効率よくポイントを貯め、ガソリン代に充てています。最近は年間で15万くらいポイントが貯まるのですが、その使い道を考えるのも楽しみの一つ。最近では、余ったポイントで「ポイント投資」をしてさらに増やすこともあります。
資産形成はマラソン、お金は人生の伴走者
――さぶさんにとって「お金」とは? 人生における位置づけについて教えてください。
資産形成はマラソンだと思っています。歩幅が小さくても、スローペースでも、とにかく「走り続ける」ことが大事。途中で投げ出すと損失が確定したり、あきらめてやめると、再スタートがなかなかきれなかったりします。投資スタイルは人それぞれですが、私が最後まで完走できる投資法は、自分自身のリスク許容度の範囲内の金融商品で増やしていく「ほったらかし投資」です。これからも足を止めずに、老後まで穏やかに資産が増えていくよう、仕組み化とメンテナンスを続けていきたいと思っています。
――これから投資を始めたいビギナーに向けてアドバイスをお願いします。
「お金の知識は漢方薬」と証券ウーマン時代の上司に教わりました。そのココロは、「すぐに体が改善するわけではないけども、学んだ知識は血肉となり、必ず良い方向に導いてくれる」ということ。そのためには、書籍や信頼できる専門家が発信する情報で自分なりに学び、投資に活かしていくことが大切だと思っています。
「これぐらいであれば失敗しても勉強代と思えそう」という金額から少しずつ、始めてみましょう。企業型DCやiDeCo、つみたてNISAなどの税制優遇制度を活用すれば、「時間」を味方にコツコツと資産形成することができます。長い人生、お金の不安から自由になるためにも、自分のお金を育てていきましょう。
※本インタビューは2022年8月19日に実施しました。
※本内容は、個人の経験に基づく見解であり、当社の意見を表明するものではありません。
※投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようにお願いいたします。