【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 31,774.52  △193.24 (9/8)
NASDAQ: 11,862.13  △70.23 (9/8)

1.概況

米国市場は短期的な戻りを期待した買いが入り続伸となりました。欧州中央銀行(ECB)が理事会で通常の3倍となる0.75%の利上げを決めたこともあり99ドル安でスタートしたダウ平均は直後に259ドル安まで下落しましたが、持ち直すとプラスに転じ昼前に202ドル高まで上昇しました。その後再びマイナスとなり昼過ぎに210ドル安近くまで下落しましたが、まもなくして切り返しプラスに転じ引けまで堅調に推移すると結局193ドル高の31,774ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も70ポイント高の11,862ポイントとなっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比6000件減の22万2000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。また、7月の米消費者信用残高は前月比238億1000万ドル増に止まり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、ヘルスケアと金融が1%を超える上昇となったほか、素材と一般消費財・サービスも1%近く上げています。一方でコミュニケーション・サービスと生活必需品、公益事業の3業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が上げました。そのなかでもセールスフォース(CRM)とJPモルガン・チェース(JPM)が2%を超える上昇となったほか、ゴールドマン・サックス(GS)とキャタピラー(CAT)、ボーイング(BA)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も1%以上上げています。一方で6銘柄が下げスリーエム(MMM)が1%以上下落し、アップル(AAPL)も1%近く下げました。

ダウ平均構成銘柄以外では、最高経営責任者(CEO)が示した新たな成長戦略を好感した買いが入り写真・動画共有アプリのスナップ(SNAP)が9%を上回る上昇となりました。新興電気自動車メーカーのリヴィアン・オートモーティブ(RIVN)も独メルセデス・ベンツグループの電動バン部門と生産で提携すると発表したことで11%近く上げています。また、半導体株が堅調でアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が買いの投資判断を受けて4%近く上昇し、エヌビディア(NVDA)とウエスタンデジタル(WDC)も2%以上上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.06%高い3.32%となりました。ドル円は144円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が利益確定の売りが出やすいなかで一日を通して堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。また、本日は3ヶ月に一度のメジャーSQで寄り付きの動向が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)