【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 31,656.42  △145.99 (9/1)
NASDAQ: 11,785.13  ▼31.08 (9/1)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。55ドル安でスタートしたダウ平均は米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めの長期化を警戒した売りが出て昼前に290ドル安まで下落しましたが、押し目買いが入り徐々に持ち直すと取引終盤にプラスに転じ引けにかけてやや上げ幅を広げました。結局ダウ平均は145ドル高の31,656ドルで取引を終え5日ぶりに反発となっています。また、S&P500株価指数も11ポイント高の3,966ポイントとこちらも5日ぶりに反発となりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は引けにかけて下げ幅を縮めたものの戻し切れず31ポイント安の11,785ポイントと5日続落となっています。

2.経済指標等

8月の米ISM製造業景況感指数は前月から横ばいの52.8となり市場予想を上回りました。先週一週間の米新規失業保険申請件数も前週比5000件減の23万2000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しています。また、7月の米建設支出は年率換算で前月比0.4%減となり市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、ヘルスケアと公益事業、コミュニケーション・サービスが1%以上上昇しました。一方でエネルギーと素材、情報技術の3業種が下げ、エネルギーが2%を超える下落となったほか、素材も1%以上下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)とアムジェン(AMGN)、メルク(MRK)が2%を超える上昇となったほか、ホーム・デポ(HD)とマクドナルド(MCD)、ウォルマート(WMT)、シスコシステムズ(CSCO)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)、スリーエム(MMM)、トラベラーズ(TRV)も1%以上上げています。一方でボーイング(BA)が4%余り下落し、ダウ(DOW)も2%安となりました。セールスフォース(CRM)とシェブロン(CVX)、キャタピラー(CAT)も1%を超える下げとなっています。

ダウ平均構成銘柄以外ではエヌビディア(NVDA)が7%を上回る下落となりました。米政府がエヌビディアの一部の半導体について中国とロシア向けの出荷に制限を課したことで売りが膨らみました。また、同じく一部の半導体について米政府から同様の通知を受けたと伝わったアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が3%近く下げたほか、半導体の設備投資抑制につながるとの見方から半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)とKLA(KLAC)も2%以上下落しています。

5.為替・金利等

長期金利は堅調な米経済指標を受け0.06%高い3.25%となりました。ドル円は8月の米ISM製造業景況感指数が市場予想を上回ったことでFRBが今後も利上げを続けるとの見方が改めて強まったことで140円台前半まで円安が進み、1998年8月以来およそ24年ぶりの円安水準となっています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でダウ平均が反発したことや、140円台まで円安が進んでいることから上昇してのスタートが予想されます。今晩に米雇用統計の発表を控え様子見となりやすいなかで日経平均がどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)