【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 31,790.87  ▼308.12 (8/30)
NASDAQ: 11,883.14  ▼134.53 (8/30)

1.概況

米国市場はニューヨーク連銀総裁が金融引き締めについて来年まで続けると述べたことや、米雇用動態調査で非農業部門の求人件数が市場予想以上に増えたことなどから米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化を警戒した売りが続き3日続落となりました。64ドル高でスタートしたダウ平均は直後に106ドル高まで上昇しましたが、伸び悩むとまもなくしてマイナスに転じ大きく下げ幅を広げる展開となりました。昼過ぎに451ドル安まで下落したダウ平均は引けにかけてやや持ち直したものの結局308ドル安の31,790ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も134ポイント安の11,883ポイントとなっています。

2.経済指標等

8月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は103.2と前月から上昇し市場予想も上回りました。一方で6月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数は前年同月比18.6%上昇となりましたが市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもエネルギーが3%を超える下落となったほか、素材と不動産、公益事業、資本財・サービス、一般消費財・サービス、情報技術も1%以上下げました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はアメリカン・エキスプレス(AXP)とJPモルガン・チェース(JPM)を除く28銘柄が下げました。そのなかでもダウ(DOW)が3%近く下げたほか、キャタピラー(CAT)とシェブロン(CVX)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、インテル(INTC)も2%以上下落しました。ボーイング(BA)とベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)も2%近く下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、写真・動画共有アプリのスナップ(SNAP)が従業員の約20%を解雇する計画と伝わったことで2%を超える下落となりました。在宅用フィットネス機器のペロトン・インタラクティブ(PTON)も年次報告書の提出を延期すると届け出たことが嫌気され8%を上回る下げとなっています。

5.為替・金利等

長期金利は変わらずの3.10%となりました。ドル円は138円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の28,000円を割り込みそうで、朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)