今週(8月12日~8月18日)の相場動向

相場回顧 BTC:楽観的なインフレ見通しが広がり米国株とともに買い強まるも上値は重い

ビットコインはBTC=337万円(25,000ドル)付近で上値が重くなったが、イーサリアムがPoS移行への期待から強い値動きとなるなか堅調に推移した。世界最大の資産運用会社ブラックロックが機関投資家向けにビットコイン私募投資信託の提供を開始したことも好感された。市場ではインフレに対する楽観的な見通しが広がり、米国株とともに買いが続いた。しかし、当局者によるタカ派寄りの発言や、中国の景気後退懸念も意識されるなかでBTC=337万円(25,000ドル)付近では何度も跳ね返された。イーサリアムもETH=27万円(2,000ドル)付近では上値を抑えられた。その後、米国株はウォルマートなど企業の好決算を受けて続伸したが、ビットコインはポルカドット上のステーブルコインaUSDが不正発行事件によって暴落したことで売りが強まった。米FOMC議事要旨の発表を前にドージコインなどにつられて思惑的に上昇する場面もみられたが、たちまちBTC=310万円(23,000ドル)付近まで下落した。週末にかけては、米FOMC議事要旨の内容を受けて利上げ減速と金融引き締め継続の見方が交錯し、方向感に乏しい展開となった。

 

来週(8月19日~8月25日)の相場予想

BTCは個人消費の動向次第で買いが継続する可能性、アルトコイン過熱に要警戒

金融市場では、米6月CPIの伸び鈍化や金利低下などを受けてインフレのピークアウトが示唆されており、景気の先行きについても堅調な雇用と企業業績によって楽観的な見通しが広がっている。来週は7月の米個人消費支出の発表を控えており、個人消費の堅調さが確認された場合には米国株とともに買いが継続することは考えられる。一方でインフレ動向については当局者から慎重な意見も多く、再び利上げの議論が沸き起こったときには売りが強まり、上値を重くするだろう。

暗号資産市場では、金融市場がリスクオンに傾くなかで、来月半ばに大型アップデートを控えるイーサリアムの他にもアルトコインが物色されている。ビットコインのドミナンスも40%台まで低下しており、この水準を割り込むことがあれば過熱感から売りに警戒が必要だろう。一方で機関投資家の暗号資産への関心が戻ってくれば相場がさらに回復する可能性もあるだろう。

直近、上値としてBTC=337万円(25,000ドル)、下値としてBTC=283万円(21,000ドル)を意識する。

※1ドル=135円で換算(執筆時点)