東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に3日ぶりに反落となりました。42円安の28,829円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分で118円安の28,752円まで下落しましたが、下げ渋ると持ち直し10時30分過ぎには56円高の28,928円まで上昇しました。しかし、上値は重く伸び悩むとその後は昨日の終値を挟んで小幅に揉み合う展開となり結局2円安の28,868円で取引を終えています。一方で新興株は高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

化粧品の口コミサイトを運営するアイスタイル(3660)が27.3%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。米アマゾン・ドット・コム(AMZN)との業務資本提携を発表し、アマゾン・ドット・コムの電子商取引(EC)サイト上にアイスタイルの専用店舗を開く計画だと発表したことで業績の拡大を期待した買いが入りました。ベンチャーキャピタル大手のジャフコ グループ(8595)も12.4%高となり年初来高値を更新しました。旧村上ファンド系の投資会社シティインデックスイレブンスなどが株式の51%の取得を示唆したと発表したことで今後の買い増しに対する思惑などから買いが膨らみました。上期決算を発表した化学用精密ポンプ大手の日機装(6376)も13.5%高となり年初来高値を更新しました。石油ガスのプラント向けポンプなどを手がける独子会社など2社の株式譲渡が当初予定していた4月から8月にずれ込み、円安により株式譲渡益が増えたことなどから通期の純利益の見通しを150億円から165億円に上方修正したことや、自己株式を除く発行済株式総数の11.24%に当たる835万株と50億円を上限とする自社株買いを発表したことで買いを集めました。

また、投資判断や目標株価の引き上げを受けて買われたのが日本ペイントホールディングス(4612)や新光電気工業(6967)で、日本ペイントホールディングスは投資判断と目標株価の引き上げを受けて6.7%高となり、新光電気工業も目標株価の引き上げを受けて一時4.2%高となりました。

一方で本決算を発表した再生可能エネルギー由来の発電所の運営などを手掛けるテスホールディングス(5074)が10.1%安となりました。エネルギー価格の高騰や国内の電力不足などを背景に電源調達に関連する売上原価が増加していることなどから2023年6月期の営業利益が前期比で4.8%減となる見通しとなったことで売りがかさみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は2円安となりました。昨日の米国市場はインフレがピークアウトしたとの期待が支えとなり続伸となりましたが、先週末と昨日の2日間で1,000円以上上げ、短期的な過熱感もあったことから売りが優勢となりました。しかし、朝方の売り一巡後に下げ渋るとその後は昨日の終値を挟んで一進一退となりました。小幅な下落に止まり底堅さをみせたことから大幅高となった昨日までの堅調な地合いは引き続き維持しているといえそうで、節目の29,000円や1月5日に付けた年初来高値(29,332円)回復への期待も依然として高いといえそうです。

なお、日本時間の21時30分には7月の米住宅着工件数が発表されるほか、22時15分には7月の米鉱工業生産指数と設備稼働率が発表される予定です。また、16日の米国ではウォルマート(WMT)やホーム・デポ(HD)の決算発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)