調整幅が続く米ドル/円相場の動き

米ドル/円相場は円安が一服しています。7月半ばにつけた高値1ドル=139.39円は、2015年6月高値125.84円から2016年6月安値99円までの円高幅に対する1.5倍返しの水準(139.26円)です。調整してもおかしくない水準まで円安が進んだことで、その反動による円高も急速に進んだようです。

ただ、高値から9円幅の円高が一巡し、再び円安方向に戻っているのが現状です。過去も高値から概ね9~10円幅の円高調整で一旦下げ止まった経緯があることからも、今回も違和感のない調整幅と言えます。

基本的には2015年6月高値を上回ったことで、長期目線では2011年の安値1ドル=75.55円を起点とした円安波動が続くことになるのでしょう。

1998年につけた147円台の高値までは距離はありますが、当面は保ち合いを経て一段と円安が進行するのか、それともここからダメ押しの一段安(円高)があるのかどうか、現時点ではどちらの判断にも偏ることはできません。

相場を読む上で参考とするのは

今回の円安が始まった2021年1月を起点に日柄をみると、7月高値までは19ヶ月を要しました。私的には今の相場を認識する上で、2011年10月安値を起点とした円安波動を参考にしています。

当時、2011年10月安値から20ヶ月を要して、最初の高値である2013年5月高値の103.73円に達しました。そして、次の高値は最初の高値から9ヶ月後の2014年1月につけた高値105.44円でした。今回の円安局面で最初の高値が7月だとした場合、9ヶ月後の2023年3月に次の高値をつけることになります。

もっと長期でみた場合、2007年6月高値から2015年6月高値までは97ヶ月を要しました。2015年6月高値から次に97ヶ月が経過するタイミングは、2023年6月となります。つまり、2023年3~6月に向けて円安が一段と進むことが考えられます。

一方、ダメ押しの円高がある場合、過去にたどってきた波動からみると、2015年6月高値125.84円までの調整は許容範囲とみるべきです。2007年6月にも124.16円の高値をつけているため、ざっくりと下値水準はイメージできるかもしれません。

日柄面からは、円安が一段と進行する場合と同じく、2023年3~6月にかけて円高進行があることを想定することもできそうです。